2009年8月号掲載

凡人が一流になるルール

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著者紹介

概要

天才発明家にして実業家だったエジソン、鉄鋼王カーネギー、日本資本主義の父・渋沢栄一、トヨタグループの基礎を築いた豊田佐吉…。19世紀後半~20世紀前半の産業の勃興期、新たな事業を次々に生み出した大実業家6人の仕事に対する姿勢、考え方を明らかにする。事業のモデルがない中、懸命に生きた彼らの先入観のない、真っすぐな精神に学ぶべき点は多い。

要約

偉人から学ぶ「一流への道」

 偉大な人は、私的野心ではなく公共的野心を自ら育て、生涯、炎が燃えるように周囲を照らす。

 才能や環境によって炎の大きさは異なってくるかもしれない。だが、ろうそくのように小さなものであっても、「燃える炎として生きる」覚悟で生きる者は一流への道を歩む者ではないだろうか。

 そんな偉人たちの仕事の習慣を学び、自らの内側に取り込むことで、一流に確実に近づくことができる ―― 。

トーマス・A・エジソン

 天才発明家として著名なエジソンは、小学校をわずか3カ月で退学し、その後、独学で科学を学んだ。独学の方法は、主に読書と実験だった。

 特に傾倒していたのは、電磁誘導の法則などを発見した科学者マイケル・ファラデーの著作だ。

 直接の弟子になるのではなく、ひそかに師として尊敬し学ぶことを「私淑する」というが、エジソンはまさにファラデーに私淑していたといえる。

 私淑の最大のメリットは師匠に束縛されず、自由でいられることだ。気分が乗らない時は本を閉じればいいし、乗った時は貪るように読めばいい。

 また、考え方も独立性を保てる。現実の師弟関係では、師匠が白を黒と言ったら、疑問があっても弟子は黒と言わざるを得ない。これではオリジナリティが育ちにくい。

 もう1つ、私淑のメリットとして見逃せないのが、時空を超えて師匠に出会えることだ。偉人たちの仕事ぶりに感銘を受けたなら、彼らの著作や偉人伝から好きなだけ学べる。

 このように、独学で学んだエジソンはまた、「運を信じない」というルールを実践していた。

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