2009年11月号掲載
脱「でぶスモーカー」の仕事術 なぜ“わかっていてもできない”のか
Original Title :Strategy and the Fat Smoker:Doing what's obvious but not easy
- 著者
- 出版社
- 発行日2009年9月10日
- 定価2,090円
- ページ数333ページ
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著者紹介
概要
健康に良いとわかっていても、ダイエットや禁煙はなかなか実行できない。ビジネスにおける戦略も同様で、正しいとわかっている戦略が、現実にはなかなか実行されない。本書は、企業がそんな「でぶスモーカー」状態から抜け出す方法を指南するもの。確実に戦略を遂行するために、リーダーが心得ておくべきこと、なすべきことを、様々なエピソードを交えつつ説く。
要約
なぜ、実行できないのか?
我々は、普段の生活でも職場でも、「何をすべきか」は知っていることが多い。一方、非常に難しいのは、それを実際に行うことだ。
例えば、「戦略計画」の名の下に会社が行っていることの多くは、時間の浪費であり、三日坊主に終わる新年の誓いほどの効果しかない。
その理由は、個人でも会社でも同じだ。
前述の通り、我々は「何をすべきか」ということ ―― 例えば、体重を減らす、煙草をやめる、顧客との関係を築く等 ―― は知っている。
そして、「なぜ」そうすべきかも、「どう」すべきかもわかっている。しかし、ほとんどの会社や個人は、結局、自分のためになることをしない。
問題は、変化を起こそうという時に、目標は達成する価値があると説明し、達成するための方法を示すだけで十分だと思い込んでいることにある。
「ああ、なるほど。こういう行動はためにならないんだね。だったらやめよう、今すぐ」 ―― そうなるわけがない!
「煙草をやめ、運動して、健康そのものの体になったらどれほど素晴らしいか想像してごらん」
それに対する答えはこうだ。「まさにその通り。でも、そんなことはもう聞き飽きた」。
我々がそうしない理由
改善しなければならないとわかっている行動に取りかからない一番の理由は、報酬や喜びが将来にあるのに対して、改善のための我慢、不快、規律は目の前にあることだ。
我々人類は、褒美が後回しになることが苦手だ。自己改善プログラムに取り組んでも、何かしらの誘惑に駆られると努力を放棄してしまう。