2010年4月号掲載
百年企業、生き残るヒント
- 著者
- 出版社
- 発行日2010年1月24日
- 定価880円
- ページ数205ページ
※『TOPPOINT』にお申し込みいただき「月刊誌会員」にご登録いただくと、ご利用いただけます。
※最新号以前に掲載の要約をご覧いただくには、別途「月刊誌プラス会員」のお申し込みが必要です。
著者紹介
概要
推定によれば、日本には創業100年以上の企業が約5万社あるという。本書は、このような“長寿企業”になるための秘訣を明かすものだ。「伝統の継承と革新」。この2つを柱とする日本の長寿企業のあり方を述べるとともに、終章では、製造業、卸売業、建設業など、様々な業種の長寿企業の取り組みを紹介。「元気で長生きする」ための具体的なヒントを提供する。
要約
百年企業、長寿の秘訣
世界最古の企業が、わが国にある。
大阪にある建設会社「金剛組」だ。創業は西暦578年、今から1430年以上も前である。
調査によれば、日本にはこのように創業1000年以上の企業が19社、500年以上が124社、200年以上が3113社もあるという。また、100年以上の企業は約5万社と推定される。
恐らく日本は、長寿企業の歴史の古さ、企業数で世界一だと思われる。
長寿企業が多い理由
では、なぜ日本に多くの長寿企業があるのか。その理由として、次の2点が挙げられる。
①伝統的な「家」制度の存在
第1の理由は、伝統的な「家」制度の存在だ。
日本の企業の多くは「家業」から始まり、発展した。家業で重要なのは、家の存続。通常、長男が嫁をもらい家を継ぐ。だが、女子しかいない場合、その女子が嫁げば、家を継ぐ者がいなくなる。
家を継ぐ者がいないと存続できない。そこで考え出されたのが「養子制度」だ。養子には、従業員や同業者、親戚の中から優秀な人材が選ばれた。
この世界的に見ても珍しい養子制度の下で、優秀な養子が家業を継続、発展させてきたのである。
②伝統の継承と革新
第2の理由は、「伝統の継承と革新」に取り組んできたことである。
長寿企業は伝統を継承するだけではなく、その一方で、経営革新にも積極的に取り組んでいる。