2010年11月号掲載
また、売れちゃった! 一瞬で顧客の心をツカむ! 売上5倍を達成する凄ワザ88
著者紹介
概要
著者の河瀬氏は、販売コンサルタントとして活躍する人物。実際に販売の現場に立ち、数々の商品を完売させた実績を持つ。今や「カワセに売れないものはない」とまで言われるが、販売の世界に入ったのは遅く、42歳の時のこと。以来、約10年かけて独自の販売技術を編み出した。本書では、「ワザさえあれば誰でも売れる」と語る氏が、多彩な“販売ワザ”を伝授する。
要約
「購買心理の5階段」
「こんな商品があるんだけど、売ってくれないかな」。このように販売元のメーカーから頼まれて、売上を作るのが私の仕事である。
最近では販売専門のコンサルタントとして、人を指導するようにもなった。研修に入った店で従業員を相手に、「今からあのお客様に、この商品を3分以内に売ってみます」と言って本当に売る。
この「売れる現場」を目撃した人は皆驚くが、私にとっては朝飯前。なぜなら、お客様の動きを見ていると、どんなモノが欲しいのか、ここで買おうと思っているのかどうかがわかるからだ。
私の販売ワザは、お客様の立ち振る舞いから判断する「観察科学」と、お客様の心の動きを読んだ「行動心理学」をベースに生まれたワザである。
現場に立ち続けるうちに、お客様が商品に興味を持ってから、購入に至るまでの心の動きを理解できるようになった。それを、私は次の5ステップに分け、「購買心理の5階段」と呼んでいる。
①「エッ、何?」の階段
最初の階段は、お客様が「エッ、何?」と思って、商品のある方向に引き寄せられてくる状態だ。
これは時間にして3秒ほど。この階段が一番重要で、ここができれば8割は成功だと思っていい。
②「デ、それで…?」の階段
「エッ、何?」と思って近寄ってきたお客様が、商品の説明を聞きたくなる状態。これは時間的に10秒程度なので、短い一言や実演で、立ち止まったお客様の興味を引くことが必要である。
③「ヘーッ、なるほど!」の階段
興味を持ったお客様が商品説明を聞き、「ああ、欲しいな~」と思い始める状態である。
④「サテ、どうしよう!?」の階段
「これ、欲しい!」と思う一方、「今買うべきか?」と迷っている状態。お客様が決断しやすいように、そっと背中を押してあげる必要がある。
⑤「ヨシ、決めた!」の階段
最後の階段で、お客様がこの階段を上れば、晴れて「購入」ということになる。