2011年1月号掲載
弁護士に依頼する前に読む本
著者紹介
概要
何か法的な問題が起きて弁護士に依頼した場合、ともすると全てお任せとなりがちである。しかし、満足できる結果を得るためには、それではいけない。たとえ素人でも、その問題についてある程度は理解し、納得した上で結論を出すことが大切だ。本書は、そのための「心得」を説いた1冊。弁護士の見極め方、関わり方など、ぜひ知っておくべきことを具体的に示す。
要約
弁護士に依頼する際の注意点
弁護士に仕事を頼もうとする時、心得ておきたいこと。それには、例えば次のようなものがある。
法的な問題が生じた時
何か問題が生じ、法的に考えたり解決したりする必要が生じた時は、弁護士を探さねばならない。
だが、その前にすることがある。その問題について、自分でできる範囲でいいから勉強するのだ。本を読む、知人に聞く、インターネットを利用するなどして、予習することを怠ってはならない。
専門家の助言を得るにしても、最終的に方針を決めたり、結論を出したりするのは自分だ。
すなわち、問題を解決しようとする時は、たとえ自分がよく知らない分野のことでも、自分がある程度は理解し、納得した上でなくてはならない。
専門家に一任せず、できるだけ自分が関与して結論を導き出し、実行していく姿勢が必要だ。
争うか我慢するか
この世は一筋縄ではいかない。どこかで譲歩をしたり、泣き寝入りをしたりすることも必要だ。それが人生のマネジメントである。
そもそもマネジメントとは、何とかして目的を達成することであり、従って、途中で折り合いをつけていく作業は不可欠である。
何か承服できないことがあっても、すぐに事を荒立てようとしないことだ。視点を最終的には自分の幸せに定め、慎重に対処する。その時点における自分の不利や不都合だけに振り回されないで、行く末がどうなるかを推測した上で、判断を下す。
法的な問題にするのは、他に手段が全く見当たらない時だ。
自分の権利や利益を100%確保しようと思ったら、争いは避け難い。ちょっと我慢して80%で満足するようにしたら、大体は丸く収まる。