2011年10月号掲載
結束力の強化書 バラバラな職場を一つにまとめ、結果を出す!
著者紹介
概要
成果主義に力を入れすぎ、人と人の結びつきから生まれる相乗効果が弱まった ―― 。今、こうした状況を嘆く組織は少なくない。この“まとまらない職場の悩み”に応えるのが本書だ。組織改革のコンサルタントが、1万人以上のリーダーを支援する中で見いだした、結束力の強化法を伝授する。厳選されたそのメソッドは効果的で、誰もが実践可能なものばかり!
要約
共通の目標を作る
小さな組織が大きな組織に対抗するためには、“結束力”が必要である。結束力がメンバーをまとめて相乗効果を生み出し、結果を変える。
この、チームや組織の結束力を高めるために必要なもの。それは、【共通の目標】【やらないこと】【信頼関係】【助け合えるフォーメーション】という、4つの柱である。
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【共通の目標】とは、心から「達成したい」と思えるチームの目標のことである。
数字の目標だけでなく、達成したい姿を共通の目標に持つことで、メンバーの気持ちがまとまり、助け合えるようになる。この目標がはっきりしない間は、助け合える段階に到達できない。
共通の目標によって、結束力を高めるためには、メンバーがしっかりと関与し、しかも真剣になれてワクワクする目標になっていることだ。
では、真剣になれてワクワクする共通の目標は、具体的にどのように作ればよいのか。
組織の「ありたい姿」を描く
まず、共通の目標は、「達成したい姿」を描くことである。
ただし、これは「あるべき姿」ではない。チームが一丸となって取り組み、目標を達成した時に、どうなっていたいかを考えるのだ。
あるべき姿にすると、チームの行動は全てが「こうあるべき」と規定されていき、徐々に窮屈になっていく。そして義務感が先行し、発想が乏しくなり、自由にものが言えなくなっていく。
つまり、「ありたい姿」を目標にした方が、達成に向けて様々な工夫がしやすくなるのだ。