2020年8月号掲載

仕事の価値を高める会議 オフサイトミーティング

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著者紹介

概要

企業の風土改革を支援する著者らが、その有効な手段である「オフサイトミーティング」を紹介。これは「日ごろの当たり前や立場を離れて考えること」に重きを置き、本音で真に重要なテーマを話し合うことを目指すものだ。従来型の会議とは一線を画す、このミーティングの開催方法や進め方を、多くの事例を交え体系的に説く。

要約

オフサイトミーティングとは何か

 「気楽にまじめな話」をする「場」、それがオフサイトミーティングである。

 この場には、「これが答えだ」というのはない。また、「はじめからわかっている結果」に導こうとするものでもない。こうしたことが従来型の研修や会議などとの本質的な違いである。

 オフサイトミーティングのような、あらかじめ答えらしきものが用意されていない場というのは、考える「きっかけをつくる」ことが目的になっている。互いに刺激し知恵を引き出し合う場であり、頭の使い方を鍛える場でもある。

 オフサイトミーティングでは、自分をさらけ出すことで互いの感じるところを共有する「力」が呼び起こされる。呼び起こされたこの力を背景に、みんなで頭を活かし考えることで、こうした力がさらに顕在化し連携が強まっていく。

 これからの世の中は、直接の対話だけではなくオンラインでの対話が多くなる。すぐに答えの出ない問いに向き合うことの意味が共有されていれば、信頼関係と頭を鍛える、意味のある対話はオンラインでも十分に可能である。

オフサイトミーティングの誕生

 オフサイトミーティングは、もともと欧米の組織開発の分野で使われていた言葉で、今でも外資系企業では一般用語として通じる。その意味するところは、「Site(場所)」を「Off(離れる)」という言葉通り、人里離れた湖畔のロッジなどに場所を変えて会議を行うことだ。

 私たちは「オフサイト」という言葉をもう少し拡大解釈し、必ずしも「場所を変える」ことにこだわらず、「日ごろの当たり前や立場を離れて考えること」に重きを置いて、企業の風土改革の有効な道具として発展させてきた。

オフサイトミーティングの5つの工夫

 私たちは、オフサイトミーティングを実践する際に、次の5つの工夫をしている。

①「気楽さ」の演出

 遠くに行けない場合は、ホテルの会議室や宴会場がよい。社外に出ることが難しく、社内で行う場合は、できるだけ日常的に使う場所とは違うスペース、食堂、他部門の会議室などを選ぼう。

②コーディネーターの配置

 オフサイトミーティングは多くの人にとってなじみのないものなので、コーディネーターの立ち居振る舞いが場の雰囲気を大きく左右する。

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