2011年10月号掲載

「困った人」の説得術

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著者紹介

概要

屁理屈ばかりで行動しない、あるいは、頭が固く今までのやり方に固執する…。どの組織にも生息する、こうした「困った人」を掌握し、使いこなすノウハウを紹介した書である。理不尽、不遜な振る舞いをする彼ら彼女らの心理や行動のメカニズムを分析して「評論家型」「職人型」「思考停止型」「現実逃避型」「近視眼型」の5つに分類、それぞれに適した対策を示す。

要約

評論家クレーマーは「行動」させろ

 近年、社内の対人関係の悩み、とりわけ社内の「困った人」に対する悩みの声が増えつつある。

 話をすると理不尽に怒り出す、何を言っているか要領を得ない、都合が悪くなると知らんぷり…。

 そうした困った人々を、何かと言いがかりをつけて人を困らせるクレーマーになぞらえて「社内クレーマー」と呼ぶ。

 以下、その実態と対策を解説すると ――

*  *  *

 まず、どこの組織にもいるのが、「評論家クレーマー」だ。

 頭の回転が速く、様々な情報を知っている一方で、全てを他人事として捉えた態度で振る舞う。心を許した相手にはフレンドリーに話すが、ほとんどの人に対しては見下したような態度をとる。

 このタイプは、屁理屈ばかり言って自分からは行動を起こさない。重箱の隅をつつくような文句を言ったり、クレームをつけて、相手に「しまった」という顔をさせたり、「自分の方がわかっている」と感じさせることが半ば目的になっている。

【評論家クレーマーを使う技術】

 また、彼らと話す際には、現状を取り巻く事実を伝えて、逐一理解したか否か確認をとっていく。この時、あまり事実についての所感や推測を入れないようにする。そうしたものを入れると、その是非に議論が飛び、話が逸れてしまうからだ。

 具体的には、「今期の売上見込みが○億円から△億円に下方修正されましたよね?」など、事実をストレートに伝えて、「話を始める前に、まず前提認識を一致させておかなくてはいけないと思うんですよ」などと切り出す。

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