2011年11月号掲載
ミンツバーグ教授の マネジャーの学校 成長を可能にする新しいプログラム
著者紹介
概要
「マネジャーの仕事は誰かに“教え授かる”ものではない」。かく語る世界的経営学者、ヘンリー・ミンツバーグ教授を義父に持つフィル・レニール氏が、教授の助言を得て考案した、マネジャー同士による“勉強会”を紹介。マネジャーとして存分に力をふるい、職場や会社を変えていく。それを可能にするプログラムの全容を、物語仕立てでわかりやすく解説する。
要約
マネジメントを学ぼう
2001年、僕は音声認識ソフト開発企業に入社した。その会社はITベンチャーで、バブルの波に乗って急成長していた。だが、ドットコム・バブルが弾けると、業績は下がる一方となった。
そして、ある日、会社が買収された。
新たな会社の企業風土は全く異なるものだった。現実主義で、コスト削減が至上命題であった。
34名いた僕のチームは15名となり、買収先企業からきた女性副社長が僕の新しいボスとなった。
部下たちの士気は最低だった。これからどうなるのか、先の見えない不安に脅えていた。
終わりなきコスト削減策は、ついに海外へ
ある日のこと。上司が、開発業務は人件費が安いウクライナに移管するという提案を持ってきた。
こちらのエンジニアにはマネジメントをやらせるという。だが、根っからのエンジニアに、ウクライナ人たちのマネジメントができるのか。
この話を部下たちに打ち明けると、案の定、不平不満が噴出した。「なんで、ウクライナ人と仕事しなくちゃいけないんだ!」「マネジメントなんて、別の奴にやらせりゃいいだろ」…。
プロジェクトはスタートしたが、トラブル続きだった。一番の問題は、皆の考え方が否定的だったことだ。誰もが「ウクライナに開発を任せるなんて無茶だ」と、最初からさじを投げていた。
そんな状態だから、「何とかウクライナプロジェクトを成功させるには、どうすべきだろうか」といった前向きな話をする余地がなかった。
マネジメントを知れば、ものの見方、考え方が変わる?
このプロジェクトを成功させるには、どうすればいいのか。悩みに悩んだ末、ひらめいた。部下のチームリーダーたちに、マネジャー教育を受けさせてはどうか?