2012年1月号掲載
幸福の習慣 世界150ヵ国調査でわかった人生を価値あるものにする5つの要素
Original Title :WELLBEING
著者紹介
概要
世論調査で世界的に有名なギャラップ社は、1950年代から50年以上にわたり、「幸福」に関する調査を行ってきた。本書は、言わばその集大成。世界150カ国に及ぶ調査から導き出した、人の幸福を決める「5つの要素」を、豊富な事例とともに紹介する。この幸福の条件は、どんな国の人にも当てはまり、それを踏まえて暮らせば、人生はより幸福な方向へと向かう!
要約
幸福を決定する5つの要素
幸せで満足のいく人生を送るために大切なことは何だろうか?
ギャラップ社は、1950年代から「元気で充実した人生を生きるために何ができるか」というテーマに取り組んできた。近年は、経済学者や心理学者らと共同で、国や文化の枠を超えて共通する幸福の構成要素についての研究に力を入れている。
この研究の一環として、ギャラップ社は150カ国にわたるグローバル調査を実施した。その結果、人が活き活きした人生を送るのか、それとも悩み多き人生を送るのか、どちらの道に進むのかを決定付ける「5つの要素」が明らかになった。
人が感じる幸福。それは、以下に示す、この5つの要素が大本となっている。
①仕事の幸福
人は皆、朝目が覚めた時、その日にすべき何かを必要としている。その何かが、ワクワクするもの、待ち遠しいものであれば理想的だ。
もし、あなたが健康で、経済的な不安がないとしても、今の仕事が嫌いだったらどうだろうか。1日中、フラストレーションを抱え続けることになるのではないか。そうなると、それがストレスとなって、結局のところ健康を損なってしまう。
経済誌『エコノミック・ジャーナル』に、ある研究結果が掲載されたことがある。この研究は、離婚、失業、配偶者の死など、様々な出来事が人生の満足度にどのような影響を与えるか、ということについて、13万人の被験者を数十年間にわたって追跡調査したものだ。
この研究の結果、幸福に最も大きな影響を与える出来事は「長期にわたる失業状態」だった。
配偶者を亡くしても、多くの人は数年後には以前の幸福度レベルまで回復する。しかし、長期にわたって失業が続いた場合(特に男性の場合)は、「数年後には以前の幸福度レベルに回復」というわけにはいかない。つまり、失業状態が長期間続くことは、配偶者の死よりダメージが大きいのだ。
また、ギャラップ社が1958年に行った調査で、人が長生きできるかどうかは「仕事の幸福」次第であることが明らかになっている。
50年代の米国では、男性は平均65歳でリタイアしていたが、95歳以上まで長生きした人は平均80歳まで働いていた。そして、彼らの93%は「仕事に非常に満足していた」と答えていたのだ。