2012年2月号掲載
キャズム ハイテクをブレイクさせる「超」マーケティング理論
Original Title :CROSSING THE CHASM:Revised
著者紹介
概要
毎年、多くのハイテク製品が誕生するが、姿を消すものも多い。著者は、その最大の原因は初期市場とメインストリーム市場の間に横たわる深い溝、「キャズム」にあると指摘。これを越えた者だけが成功するという。著者が提示した、このキャズム理論は今や米国ハイテク業界の常識であり、原著は産業界ばかりか、米国の多くの大学で教科書として採用されている。
要約
ハイテク・マーケティング
毎年、多くのハイテク企業が誕生する。だが、その多くは失敗する。
「なんで我々は成功しないんだ?」「俺たちの製品を見てくれよ。相手の製品に負けちゃいないだろ?」と、起業家は嘆く。
実際のところ、機能ごとに比較検討すれば、敗退した製品の方が優れていることも少なくない。
では、なぜうまくいかないのか?
実は、問題はマーケティングにある。
具体的に言えば、ハイテク製品を市場に浸透させていく時の最大の落とし穴は、初期市場からメインストリーム市場へと移り変わるところに、パックリと口を開けて待ち受けている。
この2つの市場の間に横たわる溝を、我々は「キャズム(深い溝)」と呼んでおり、ハイテク製品のマーケティングを考える際には、キャズムを越えることが最重要課題となる。
つまり、キャズムを越えた者がハイテク分野で財をなし、失敗すれば全てが水泡に帰すのだ。
テクノロジー・ライフサイクル
最近、電気自動車を見かけるようになった。
例えば、この電気自動車をいつ購入するか、という問いへの答えから、人が「テクノロジー・ライフサイクル」とどう関わっているか推量できる。
テクノロジー・ライフサイクルとは、新たな製品が市場でどのように受け入れられていくかを理解するための1つのモデルである。