2012年3月号掲載
ハーバード流ボス養成講座 優れたリーダーの3要素
Original Title :Being the Boss
著者紹介
概要
多くのマネジャーは、次々と押し寄せてくる仕事に追われ、日々多忙を極めている。そうした中で、優れたマネジャーは、部下をはじめ周囲の人を動かして結果を出している。その秘訣は何か? ハーバード・ビジネススクールのリーダーシップ部門の主任教授ら、2人の著者が、30年以上に及ぶ研究によって解明した、できるマネジャーの3要素を示す。
要約
自分をマネジメントする
あなたは、優れたマネジャーの水準に達しているだろうか?
優れたマネジャーになる。そのためには、次の3つの課題に取り組まなければならない。
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- ・自分のマネジメント
- ・人脈のマネジメント
- ・チームのマネジメント
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マネジャーの多くは、部下に権限を振りかざして、「これをやれ、あれをやれ」と指示をする。権限を行使するのが、周りに影響力を及ぼす最も効率の良い方法だと考えているのだ。
だが、肩書きに伴って生じる「公式の権限」こそがマネジャーの特質だとする考え方は、よくある誤解だ。事実、大半のマネジャーは「権限はそれほど有効ではない」とすぐに気づき、落胆する。
部下があなたの指示に必ずしも従わない理由は、数え上げたらきりがない。
あなたに賛成していない(もっと良い方法があると考えている)、あなたの望みを理解していない、威張り散らされるのを快く思わない…。
これら様々な理由から、権限は影響力を及ぼす手段としては甚だ心許ないものとなる。
私的な関係には落とし穴もある
では、権限だけでは部下に十分な影響を及ぼせないなら、何がその代わりになるのか? 逆に、部下と親しい関係を築けばよいのか?
多くのマネジャーがこの手法を使っている。その背景には、もしかしたら、「周りから好感を持たれたい」という意識があるのかもしれない。
だが、好感を持たれるのと、信頼あるいは尊敬されるのとは違う。これを混同するのは、マネジャーがほぼ例外なく陥る典型的な罠である。