2012年7月号掲載
新版 問題解決プロフェッショナル 思考と技術
著者紹介
概要
今やビジネスにおいて、必須の基礎スキルといえる「問題解決」。本書は、その問題解決の基本となる考え方をわかりやすく説く。「ゼロベース思考」「仮説思考」「MECE」「ロジックツリー」など、2つの思考、2つの技術、1つのプロセスからなる、単純明快な問題解決法は、どのような場面、どんな立場の人にも役立つ。35刷を重ねたロングセラーの初改訂版。
要約
「ゼロベース思考」
誰もが普段、問題解決のために無意識に踏んでいるプロセス。それを実践的方法論として体系化すると、次のようになる。
すなわち、「ゼロベース思考」「仮説思考」という2つの思考と、「MECE(ミッシー)」「ロジックツリー」という2つの技術、そして、それらを駆使した問題解決の実践的プロセス「ソリューション・システム」の5つに集約できる。
* * *
ビジネスの現場には、いつも様々な「枠」がある。問題を解決しようとする時に、いつもと同じ枠の中で考えていては限界がある。
ゼロベース思考は、こうした「既成の枠」を取り外して考えるもので、そのポイントは2つある。
①自分の狭い枠の中で否定に走らない
ゼロベース思考の妨げになるのは既存の枠だ。その中でも一番のタガは、自分自身だ。自分で狭い枠を設定して否定に走ってはいけない。
「解決は難しい」と最初から既存の枠で考える思考では、小さな枠の範囲内で限定的に考えてしまうため、枠の外にある解決策を見落とす。
②顧客にとっての価値を考える
知らぬ間に自分や自部門、自社の立場だけで問題を捉える習慣がつくと、既成のタガから抜けられなくなる。だから、ゼロベース思考で「顧客にとっての価値を考える」ことが大事なのだ。