2012年11月号掲載
女子社員マネジメントの教科書 スタッフ・部下のやる気と自立を促す45の処方箋
著者紹介
概要
今いる女性社員を戦力化したい。でも女性の部下の扱いは難しい…。そんな悩める管理職のための、いわば処方箋。かつてマイクロソフトの日本法人で、女性営業部長として活躍した著者が、自身の体験も交え、女性の部下を活かす上で必要な心構えと具体策を指南する。女性に限らず、若手やベテラン社員など、価値観の全く違う人たちのマネジメントにも役立つ。
要約
5つの意識改革
いまだ日本の経済状況は先行き不透明である。こうした中、マネジャーに求められるのは、「今いるメンバーで成果を最大化させる」ことだ。
では、そのために何をすべきか。それは、ずばり「女性」戦力化である。
働く女性は確実に増加している。実際、今は就職する学生の半分が女性である。今いる人材を最大限に活用する上で、カギとなるのが女性なのだ。
女性社員を活かすためには、彼女たちに正しいビジネスマインドを身につけてもらう必要がある。そのためのレッスンとして、次の5つがある。
①協働のレッスン
働くという字は「人」と「動」の2文字から成る。仕事とは「人」のために「動く」こと。さらに「人」と「動く」ことでもある。組織で仕事をする限り、周囲と協働して結果を出すのが基本だ。
しかし、女性社員は仕事を「自分にとって」という発想で捉えがちである。いわゆる「仕事目線」ではなく、「自分目線」で考えてしまう。
それが間違った方向に働くと、いつの間にか「会社の仕事」が「私の仕事」となり、仕事を正しく進めることができなくなる。
相手が望むことよりも、自分がどうしたいかで仕事を捉えてしまう。仕事の結果を出すことよりも、自分が頑張ったことにこだわってしまう。
このようなのめり込み方をしてしまうと、仕事の目的や目標を忘れ、自分中心の言動が増え、周りに疎ましく思われてもそれに気づけなくなる。
例えば、周囲にイライラを撒き散らす女性。
イライラしているのは、「私は頑張っている」にもかかわらず、「なのに、周りはわかってくれない!」という不満を抱えているためである。