2013年1月号掲載
BEソーシャル! 社員と顧客に愛される5つのシフト
著者紹介
概要
ソーシャルメディアは人々を繋ぎ、世界を透明にする。透明な世界では誰も人の感情は操れない。今、企業がすべきことは、ソーシャルメディアで生活者の言動をコントロールすることではなく、人々に共感されるよう自らを変えること ―― 。このように語る著者が、現在起きている企業経営におけるパラダイムシフト、そして透明な時代の「あるべき企業像」を示す。
要約
そして世界は透明になった
今は、「ソーシャルメディアの時代」。人々は緊密につながり、情報共有と協調行動のパワーを手に入れた。
そして金融危機以降、生活者の価値観は大きく変化し、利潤追求に明け暮れてきた企業に対して、社会性や持続性を強く要求し始めている。
生活者に反感を持たれた企業の商品は売れない、人は集まらない、お金も集まらない。持続的に共感を得られない企業に未来はない、そんなパラダイムシフトが訪れようとしている。
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2012年9月14日、フェイスブックのアクティブユーザー数は10億人を超えた。世界はすでにフェイスブックに覆われている。
フェイスブック利用者1人あたりの投稿量は毎年2倍のペースで増加。そして、生活者のオープンな投稿が社会を透明にする源となり、世界は霧が晴れるように開かれていく。
飾らない人間が好かれるように、オープンな企業は共感されやすい。生活者からの信頼、ファンからのポジティブな応援、製品やサービスへの実践的なフィードバックやアドバイス。
ソーシャルメディアというつながりを深めるプラットフォームが生まれたことで、透明性が企業にもたらすメリットは確実に増えてきた。
秘密にすることとオープンにつながること。どちらがより大きな価値を創造するのか。企業にとって大いに戦略性を問われる判断になった。
もはや覆い隠せない、企業経営の歪み
現代の企業経営における闇は深い。
工業化社会を前提とした効率性の追求、世論操作の手法を取り込んだ広告宣伝、社員を資源として扱う成果主義やリストラ施策、短期的な利益追求や業績拡大を最優先する経営。