2013年1月号掲載
ザ・アドバンテージ なぜあの会社はブレないのか?
Original Title :The Advantage
- 著者
- 出版社
- 発行日2012年10月18日
- 定価1,848円
- ページ数252ページ
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著者紹介
概要
「賢明な組織」と「健全な組織」。どちらが成果を上げられるか? 本書の答えは後者。健全な組織は、社内政治や混乱が最小限で、勤労意欲や生産性が高く、優秀な社員の離職率が低く、最終的に優位に立つ。こう指摘し、健全な組織になる上で必要な4つのプロセス ―― 経営陣の団結力、組織の透明性創出、透明性の浸透、透明性の向上を、詳しく解説する。
要約
「組織の健全性」が重要な理由
どんな会社でも、獲得できる唯一にして最大の競争優位は「組織の健全性」である。だが、望めば誰でも手に入れられるにもかかわらず、ほとんどのリーダーに無視されている。
組織の健全性は、戦略、財務、マーケティングをはじめ、組織内で起こる全てのことに一貫した脈絡を提供する。だからこそ、組織の成功を決定づける唯一にして最大の要因なのである。
要するに、組織の健全性は統合性(インテグリティ)の問題である。統合性があれば、経営、営業、戦略、企業文化がぴったりかみ合っていて、理にかなっている。
成功を望むなら、組織は2つの基本的特性を備えねばならない。「賢明さ」と「健全さ」だ。
賢明な組織は、ビジネスの基本である戦略、マーケティング、財務といった問題が得意だ。
これらが重要でない、と言う人はいないだろう。しかし、賢明さは必要条件の半分でしかない。あと半分は、健全さである。
組織が健全かどうか見分けるには、それを示す指標を調べるといい。その指標は、最小限の社内政治や混乱、勤労意欲と生産性の高さ、優秀な社員の離職率の低さなどだ。
組織の2つの特性、知性と健全性。このうち、どちらをとるかと問われれば、躊躇なく健全性をナンバーワンに挙げる。その理由は次の通りだ。
健全な組織は、必ず時間とともに賢明になっていく。健全な組織では、リーダーをはじめとして社員が切磋琢磨し、重要問題を見抜き、失敗からの立ち直りが速いからだ。社内政治や混乱に妨害されないから、問題を一致団結して解決できる。
一方、賢明な組織が知性によって健全性を高めることはないようだ。知識や知性を誇るリーダーは、自分の弱点に気づきにくく、同僚から学ぼうとしないからだ。心を開いて率直になれないから、失敗からの立ち直りが遅い。要は、賢明だからといって必ずしも健全にはなれないということだ。
では、健全になるために組織は何をすべきか? それには「4つの規律」が必要である。