2013年2月号掲載
イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ
Original Title :HOW WILL YOU MEASURE YOUR LIFE?
- 著者
- 出版社
- 発行日2012年12月6日
- 定価1,980円
- ページ数250ページ
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著者紹介
概要
名著『イノベーションのジレンマ』の著者、クレイトン・M・クリステンセン氏は、ハーバード・ビジネススクールの看板教授でもある。その氏が、同校で受け持つ講座の最終日に行う授業 ――“人生の経営学”をまとめた1冊。自身が教えてきた経営学の理論を人生に当てはめ、どうすれば幸せなキャリアを歩み、幸せな人間関係を築けるかを示す。
要約
人生を考える「3つの質問」
私はハーバード・ビジネススクールで教える講座の最終日には、私が同校を卒業して以来、同級生を見ていて気づいたことを、学生たちに話す。
どんな学校でもそうだが、同窓会は同級生の興味深い人生のスナップショットを見せてくれる。
私の5年目の同窓会では、誰もが素晴らしい仕事につき、羽振りが良さそうに見えた。
だが10年目の同窓会には、友人の何人かが欠席した。同級生には職業人として成功を収めながらも、離婚など、私生活では明らかに不幸な人たちが多くいた。きっとこうしたことを仲間に説明するのがきまり悪いのだろうと、私は受け止めた。
25年目と30年目の同窓会では、問題はさらにひどくなっていた。同級生の1人が、エンロンのスキャンダルに関わり刑務所行きになったのだ。
私が教えている講座、「成功する企業をいかに構築し維持するか」では、学生たちはゼネラルマネジメントという仕事の様々な側面を説明する理論を学ぶ。こうした理論は、「何が、なぜ、物事を引き起こすのか」を明らかにする。
続いて企業の事例を取り上げ、その企業に、なぜどのようにして問題や機会が生じたかについて、1つ1つの理論が何を教えてくれるかを話し合う。
それから理論を使って、その企業に将来起きる可能性が高い問題や機会を予測し、それらに対処するためにどんな行動をとるべきかを考える。
そして、授業の最終日には、組織を作る基本的な要素である個人について、学生たちと考える。企業ではなく、自分自身について考えるのだ。
その際に出す質問は、次の3つである。
- ・どうすれば幸せで成功するキャリアを歩めるだろう?
- ・どうすれば伴侶や家族、親族、親友たちとの関係を、ゆるぎない幸せの拠り所にできるだろう?
- ・どうすれば誠実な人生を送り、罪人にならずにいられるだろう?
3つの質問は一見簡単に思えるが、私の同級生の多くが、一度も考えることをしなかった質問だ。