2013年4月号掲載
マリガンという名の贈り物 “人生を変える究極のルール”
Original Title :The Mulligan
- 著者
- 出版社
- 発行日2013年2月20日
- 定価1,320円
- ページ数214ページ
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著者紹介
概要
「マリガン」とは、ミスショットの打ち直しを認めた、ゴルフのプライベートルールのこと。本書は、人生でも“究極のマリガン”=罪を赦してくれる神が存在し、それにより失敗をやり直せることを、物語仕立てで説くものだ。エリートビジネスマンと90歳の老ゴルフコーチのやり取りを楽しく読み進むうちに、生きていく上で大切にすべきものの見方が学べる。
要約
ゴルフと人生とマリガン
ゴルフと人生の両方に共通する、多くの人が抱えている問題は、「自分1人でやろうとすること」ではないだろうか。
ゴルフでは、キャディの忠告を無視して打ってしまい、ハザードに入れてしまうことがある。
人生においても、多くの人が同じような経験をしている。つまり、自分は何でもわかっている、できると考えてしまうのだ。そして私たちは、神様という世界で最も優秀なキャディがいることを忘れてしまっている ―― 。
* * *
事業家のポール・マッカリスターは、ゴルフのプロ・アマトーナメントに参加することになった。
それは彼の長年の夢だった。しかも、自分の組には有名なプロ、デービス・ラブ3世が入る。「すばらしい機会に巡り会えた」と彼は興奮した。
1番ホールでは、最初にデービスがフェアウェイの真ん中に300ヤードを越えるドライバーショットを飛ばした。
ポールの順番になって、彼は自信たっぷりにティーアップした。
その時、キャディが「一番いいのはフェアウェイの右サイドに打つことです」とアドバイスした。ポールは、「俺はどういうプレーをすればいいか自分でわかっているんだ」と心の中で呟いた。
だが、思い切りスイングすると、力を入れすぎたためかボールは激しくフックし、深いラフへ。その後、彼のプレーはどんどんひどくなり、9番ホールまで来た時は、深い敗北感の中にあった。
それでも、彼の打つ順番が回ってきた時、今日初めて心を静めることができ、見事なショットを打つことができた。第2打もまた見事なショットで、ボールはグリーンの真ん中に落ち、カップから1m少しのところで止まった。