2013年5月号掲載
父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章
Original Title :LORD CHESTERFIELD'S LETTERS TO HIS SON
- 著者
- 出版社
- 発行日2011年4月10日
- 定価660円
- ページ数281ページ
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著者紹介
概要
18世紀イギリスの文人政治家フィリップ・チェスターフィールドの書簡集、『息子への手紙』の翻訳である。原著の刊行は1774年。以来、人生論の名著として、イギリスのみならず世界中の人々に読み継がれている。「知識は豊富に、態度は控えめに」「物腰は柔らかく、意志は強固に」等々、記された内容は示唆に富み、今を生きる私たちにも多くの教訓を与えてくれる。
要約
わが息子へ
18世紀イギリスの政治家、文人のフィリップ・チェスターフィールドは、息子へ多くの手紙を送った。その内容は人間智に満ち、勉学、ビジネス、人間関係の「生きた教科書」といえる ―― 。
自己向上に「努力のしすぎ」はない
健康は、節制さえしていれば、君の年では何もしなくても十分保たれる。ところが頭はそうはいかない。頭をはつらつとした健康な状態に持っていくには、相当な訓練が必要となる。
しっかりと知識を蓄えておくように、そのための努力を惜しまぬように。
私はよく、自分は優れた人間なのに報われなかったという話を耳にする。けれど、私の知っている限りでは、実際にそんなことはなかった。
必ずと言っていいくらい、どんな逆境にあっても、優れた人はある程度の成功を収めている。
「優れている」と私がここで言うのは、広い知識と物事に対する見識があり、そして態度も立派な人のことだ。
見識を持たない人間は、寂しい人生を歩むことになる。知識については、自分が何を目指すにせよ、きちんと身につけておかなければならない。
態度は、優れた人間になるためには欠かすことのできないものだ。態度いかんで、知識や見識が輝きもするし曇りもする。
そして、人を一番ひきつけるのも、知識や見識ではなくて、その人の態度のようである。
「これといった努力をしない」で育つ大木はない
怠慢 ―― これについて君に言っておきたいことがある。
君は将来、社会の一員となる。そのために今、世界の動きや社会のしくみなどの知識を得なければならない。それができないというのは許されない。しないのは怠慢以外の何ものでもないからだ。