2013年8月号掲載
戦略を、実行できる組織、実行できない組織。
- 著者
- 出版社
- 発行日2013年5月25日
- 定価2,200円
- ページ数417ページ
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著者紹介
概要
リーダー共通の悩み。それは、戦略を“実行”することの難しさだ。戦略が明確で、リーダーが推し進めても、達成は容易ではない。なぜか。最大の原因は「日常業務」だ。日々の業務が忙しいため、新たな戦略にメンバーの目が向かない。本書は、日常業務という、この手ごわい敵と付き合いつつ戦略を実行するための原則、「実行の4つの規律」について解説する。
要約
「戦略」と「実行」
戦略の「策定」と「実行」。この2つのうち、リーダーが苦労するのはどちらだろうか?
この質問を世界各地のリーダーに出すたび、同じ答えが返ってくる。「実行!」。
実行することが難しいのはなぜだろう?
数百の企業と政府機関を調べたところ、実行を邪魔する要因がいくつか見つかった。
まず、目標の曖昧さ。実行すべき目標をわかっていない人が多い。調査では、従業員の7人に1人が組織の最重要目標を1つも挙げられなかった。
また、目標に対するコミットメントの欠如も問題で、目標を達成しようという意欲が乏しかった。チームの目標に一生懸命取り組んでいると答えたのは51%、残る半数はやっているふりだけだ。
だが、実行を邪魔する本当の敵は、日常業務だ。これを「竜巻」と名づける。竜巻が吹くから、チームを前進させるための目標から目が離れるのだ。
竜巻は急を要する仕事である。あなたにも、あなたのチームのメンバーにも四六時中のしかかっている。前進するために設定した目標は重要だが、「緊急の仕事」と「重要な仕事」が衝突すれば、必ず緊急の方に軍配が上がる。
緊急の仕事をないがしろにしたら、あなたは今日にも死ぬだろう。だが重要な目標を無視したら、あなたの明日はない。言い換えれば、チームが竜巻の中だけで仕事をしていたら、前進できない。
最も重要な戦略を、竜巻が吹き荒れる中で実行する。このことは難しいが、私たちは試行錯誤の末、それを可能にするためのルール ―― 「実行の4つの規律」を導き出した。
- ・第1の規律:最重要目標にフォーカスする
- ・第2の規律:先行指標に基づいて行動する
- ・第3の規律:行動を促すスコアボードをつける
- ・第4の規律:アカウンタビリティ(報告責任)のリズムを生み出す
4つの規律は、一見、簡単に思える。しかし、簡単ではあるが、決して単純なものではない。目標に向かう道筋を根本的に変える力を持っている。