2013年9月号掲載

ネットからリアルへ O2Oの衝撃 決済、マーケティング、消費行動……すべてが変わる!

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著者紹介

概要

スマートフォンは、電子マネーやポイントカードが搭載でき、クーポンをダウンロードして使えるなど、人々の消費行動を変えつつある。こうした動きを受け、楽天やヤフー・ジャパンなどのウェブ事業者が取り組み始めたのが、ネットの顧客をリアル(実店舗)へ送る「O2O(online to offline)」戦略だ。本書では、このO2Oの最前線をリポート、今後を展望する。

要約

「端末基点マーケティング」の時代

 スマートフォンの伸びが、とどまるところを知らない。

 調査によると、2012年度の携帯電話の国内出荷台数は前年比4.5%減の4080万台。そのうちスマートフォン出荷台数は前年比19.9%増の2898万台で、総出荷台数に占めるスマートフォンの比率は71%になると分析している。

スマホで変わる消費者の生活スタイル

 このスマートフォンは、私たちの生活スタイルを大きく変える影響力のある機器である。

 例えばマクドナルドは、事前に会員に、スマートフォンを通じてクーポン・メニューを配り、来店前に好みのメニューを選択するように仕向けた。

 これが女子中高生に好評で、売上増につながったといわれるが、注目したいのは、このマーケティングで利用者の消費スタイルが変わったことだ。

 利用者は店で商品を選ぶのではなく、家で選んでから店に出向き、読取機にタッチして割引で購入するようになったのである。

これからは「端末基点マーケティング」が効果的

 このように、スマートフォンの登場により、これまでの消費生活が様変わりし始めている。

 特に無料アプリやクーポン、ポイント、ギフトカード、電子マネーといった様々な電子サービスが登場した結果、それらを使うことで全く新しい快適な消費スタイルを体験できる。

 何といってもスマートフォンは24時間、人々の手元にあるメディア。有効な情報であれば、その人の気持ちに直接深く突き剌さる。

 事業者はスマートフォンを介してユーザーと接点をもつことで、人々の購買意欲を高めるように働きかけることができる。全てをスマートフォンという端末を基点に考えるので、この方法を私は「端末基点マーケティング」と呼んでいる。

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