毎日4時45分に帰る人がやっている　つまらない「常識」59の捨て方

常識を捨て、常に考える働き方

　私が創業した未来工業は、創業以来49年間、売上目標を立てたことがない。だが、赤字決算になったことは一度もない。

　毎朝8時半始業で、1時間の昼休みをはさみ、午後4時45分終業。1日の業務時間は7時間15分が基本で、残業、仕事の持ち帰りは禁止。

　だから仕事の段取りをかなり効率的に考えないと、やりかけ仕事の山に苦しむことになる。たえずムダを省き、「常に考える」ことが欠かせない。

常識を捨てるから儲かる

　ウチは岐阜県に本社がある電設資材メーカーで、年商は314億円（2013年3月期）。経常利益は39億円だ。創業から13年3月期までの平均経常利益率は、13％を超えている。

　「どうして売上目標がないのか？」「それで、なぜ会社が儲かるのか？」などとよく聞かれるが、そういう人には、むしろ私の方が質問したい。売上目標さえ立てれば、会社は本当に儲かるのか？

　昔はモノがなかったから、そこそこのモノさえつくれば売れた。だから、売上目標を立てようと思えば立てられたし、会社も簡単に儲かった。

　しかし、そんな時代はとっくに終わっている。最近では、モノに執着しない「断捨離」や、乗用車を皆で「シェア」するのがカッコイイみたいな価値観も広がっている。

　そんな世の中の変化には目もくれず、「売上目標は立てるものだ」という「常識」に縛られて、「常に考える」ことをサボってはいないだろうか。

「先憂後楽」だからビジネスはうまくいく

　つまらない常識にこだわる一方で、最近、見失われているビジネスの基本がある。

　「見返りを求めず、まず与えること」―― それが私の考える仕事の大原則だ。

　中国の言葉に「先憂後楽」というものがある。