2013年12月号掲載

粗食のすすめ 新版 「本物の健康」をつくる「正しい食事」

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著者紹介

概要

欧米化した日本の食生活に警鐘を鳴らし、話題を呼んだ『粗食のすすめ』の新版。日本は世界一の長寿国といわれる。だが、今の元気なお年寄りは、肉や卵をたくさん食べて長生きしているのではないと述べ、米を主食とする伝統食 ――「粗食」の素晴らしさを説く。栄養学や健康本に惑わされがちな現代人に、風土に根差した食生活の大切さを教えてくれる一書である。

要約

現代日本人の食生活の問題点

 大学の栄養学科を出て、専門学校で栄養学を教えていた私が、現代の栄養学に疑問を持ち始めたきっかけは、1つの新聞記事であった。朝日新聞の「ほろびゆく長寿村」という記事である。

 その長寿村とは山梨県北都留郡上野原町(現・上野原市)棡原。私は実際に行ってみたが、その時のショックは今も強烈に頭に焼きついている。

 そこで見たものは、70歳、80歳の人が元気に働いていて、40歳、50歳の人たちの方が次々と病気で倒れている現実であった。

 そして、実際に長生きしている人たちに「食生活」について聞いてみると、麦やアワ、キビなどの雑穀、芋類を主食にして、野菜や山菜などを副食にしてきたという。そのような一見「粗食」に見える食生活をしながら、女性は多産で母乳の出ない人などいなかったという。

 それが最近ではパンやインスタントラーメン、肉、牛乳、卵中心の食生活に変わり、このような食生活で育った若い世代に「生活習慣病」が急増し、死亡者も増加しているというのだ。粗食を続けてきた高齢者は元気に暮らし、「豊かな食生活」の若い人が病気で倒れるというわけだ。

 そのことは、昭和40年代以後において、45~65歳の年齢層は、それ以前に比べて死亡率が明らかに上昇していることからもわかる。

 この現実を目の当たりにした時、私は自分の教えている現代の栄養学は本当に良いのだろうかと、考えれば考えるほど疑問が出てきたのだ。

 現状を見れば、現代の食生活は大きな問題点を抱えている。それは、次の3つに整理できる。

    • ①米を食べなくなった
    • ②食生活が欧米化した
    • ③栄養素にこだわりすぎる

 だが、真の「バランスのとれた食生活」とはどんな食生活なのか。問題はその内容にあるのだ。

 

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