2014年12月号掲載
創業三〇〇年の長寿企業はなぜ栄え続けるのか
- 著者
- 出版社
- 発行日2014年10月2日
- 定価1,760円
- ページ数227ページ
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著者紹介
概要
企業の平均寿命が「30年」といわれる中、世界最古の企業・金剛組を筆頭に、日本には創業100年を超える企業が2万社以上、300年を超える企業でさえ605社もある。これら長寿企業は、なぜ長寿たり得るのか。創業年数300年以上、年商50億円以上の企業69社を徹底分析し、経営の秘訣を明かす。変化が速く大きい今の時代、これらの企業に学ぶべきことは多い。
要約
300年長寿企業
日本に、長寿企業は何社存在しているのか?
明治後期以前に創業された「100年企業」は、2万6114社ある(2013年現在)。江戸時代後期以前に創業された「200年企業」は1191社。「300年企業」でさえも605社が存在する。
今日、グローバル化、イノベーションなどの言葉が示すように、企業を取り巻く環境が急速に変化している。それゆえ、幾多の変化を乗り越えてきた、長寿企業の経営から学ぶべきことが多い。
しかし、先述の通り、長寿企業と言っても、創業100年企業は2万社以上もある。そこで、創業年数300年以上、企業規模は年商50億円以上という2つの切り口で調査対象を絞り込んだ。
この2つを満たす企業は69社。6万社に1社の確率だ。稀有なこれらの企業は、「日本型サスティナブル企業」(古くて新しい日本型の企業経営を実践し続けてきた企業)と呼ぶに相応しい。
では、なぜ長寿たり得たのか?
これらの企業は、次の3つの大きな変化に対応することで、生き残ってきた。
・「時代」の変化を乗り越える
例えば政治では、300年の間に、江戸時代の鎖国政策から、明治維新で開国に舵を大きく切り替えた。その後、日清・日露戦争を経て、第2次世界大戦での敗戦を経験した。
経済では、明治時代の殖産興業での高成長、そして昭和恐慌を経て敗戦に至った。戦後は高度成長期を謳歌した後、バブル崩壊も経験してきた。
・「世代」の変化を乗り越える
300年にわたる事業継承では、少なくとも10代以上の世代の変化を経験する。世代というものは時代の影響を大きく受けるため、どの時代にも世代の壁が存在する。よく言われる「最近の若者は…」という話だ。日本型サスティナブル企業はこの世代の壁をも乗り越えてきた。
・「事業」を変化させ続ける
300年という期間で見ると当然、顧客や商品・サービスなどの事業の内容も変化し続けている。