2015年9月号掲載
ベスト・パートナーになるために 男は火星から、女は金星からやってきた
Original Title :MEN ARE FROM MARS, WOMEN ARE FROM VENUS
著者紹介
概要
男女の間に生じる認識のズレや誤解。その原因は、両者が別々の星からやってきた異星人のごとく、根本的に異なる“人種”だという点にある。互いの違いを心得て、尊重し合えるようになれば、きっとトラブルは減るはず ―― 。男女がベスト・パートナーになるための秘訣を説き、全世界で評判を呼んだ大ベストセラー。翻訳は、映画監督の大島渚氏。
要約
男女は根本的に異なる人種
「そもそも、男は火星人で、女は金星人だった」 ―― そう想像してみよう。
遠い昔のある日、火星人たちは望遠鏡をのぞいているうちに金星人を発見した。彼らは、初めて見る“異星人”の魅力にひと目でとりつかれ、ただちに金星へと飛んだ。
金星人たちは、彼らを大歓迎してくれた。かつてないほど激しく胸がときめき、そして恋が生まれ、仲むつまじい生活が始まった。
やがて、彼らは地球に移住することを決めた。この新しい天体での生活も、はじめの頃は快適で素晴らしいものだった。ところが、ある朝、彼らは目覚めると同時に“記憶喪失”に陥った。お互いがそれぞれ異なった天体からやってきた身であることと、それゆえに双方の間に根本的な違いがあることをすっかり忘れてしまったのだ。
その日から、男と女の闘いが始まった。
*
お互いが根本的に異なった人種であることを心得ておかないと、男と女はうまくやっていけない。だが、お互いの違いを心得て、尊重し合えるようになればトラブルはたちまち減っていく ―― 。
女性は「愛され、大切にされている」実感がほしい
多くの男性は、女性が誰かに愛情を注がれ、支えられているという実感を持つことの大切さに気づいていない。彼女たちは、その要求が満たされると信じられた時、幸福な気分になれるのだ。
精神的に落ち込んだ時、あるいは人生に疲れて絶望感に陥った時、女性が必要とするのは、親しい人間とのスキンシップ。自分が決して孤独な存在ではないと確信する必要があるのだ。そして、相手からの同情、理解、なぐさめを強く求める。それが満たされると立ち直っていけるのだ。
だが、男性はその心理に気づかない。むしろ相手のことを思うがゆえに、そっと1人にしておいてあげるべきだと考える。あるいは問題を解決してあげればいいと考え、性急に解決策を示し、彼女をさらに落ち込ませたり、怒らせたりするのだ。
男性には、ただ親身になって話を聞いて、理解と同情を示してくれることだけを望んでいる女性の心情が、本能的に理解できないのである。