2016年2月号掲載
最高の仕事ができる幸せな職場
Original Title :THE BEST PLACE TO WORK:The Art and Science of Creating an Extraordinary Workplace
著者紹介
概要
どんな職場であれば、従業員がやる気を出し、優れたアイデアを思いつくのか? 失敗を認める職場環境を作る、遊びを組み入れる等々、どんな業界ででもできる、生産性と創造性、やる気がアップする職場の作り方をアドバイスする。業績向上のカギは、従業員が最高の仕事をできる、“幸福な職場”作りにあり!
要約
生産性とやる気を高める職場作り
従業員が幸せであれば、利益は拡大する。
幸福な従業員は生産性や創造性にすぐれ、質の高い顧客サービスを提供することが、研究によって明らかになっている。
では、どうすれば、そうしたすばらしい職場にすることができるのか。
幸福な職場を作る秘訣は、福利厚生などに多くの出費をすることではない。従業員が、最高の仕事をできるような環境を整えることだ。
多くの失敗をすることが、成功の秘訣
創造性に秀でた天才は、多くのものを作り出しただけでなく、しばしば失敗している。
iPhoneやiPadで大成功を収める前、スティーブ・ジョブズは、AppleⅠ、AppleⅡ、Lisaなど多くの製品で失敗している。グーグルも、グーグルリーダーをはじめ、相当な数の失敗をしている。
グーグルの元CEOエリック・シュミットは、2010年にグーグルウェーブの開発中止を発表する時に言った。「私たちは失敗を称える。難しいことに挑戦して成功しなくても、そこから学び、新しいことに活かすことができればいい」。
人よりも多くの失敗をする ―― それが新しいことをして成功するための秘訣である。
失敗を奨励し、褒美を与える
病院におけるチーム力学を調べた研究がある。テーマは、「同僚と良い関係にある看護師は失敗が少ないか」というものだ。
協調性の高い環境であれば、看護師はより仕事に集中でき、失敗も少ない ―― そんな結果が出ると思っていたが、実際は逆だった。上司や同僚との関係が良好なほど、看護師の失敗は多いのだ。
なぜだろう。