2017年6月号掲載
さあ、才能に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー 2.0
Original Title :StrengthsFinder 2.0
著者紹介
概要
累計50万部を突破した、ベストセラーの新版である。人々が持つ「34の資質」を明らかにした前作の内容に加え、最新の知見と各資質の活かし方を新たに解説。才能を「強み」に変え、成功を手にする方策が具体的に示される。資質を測定する進化版ウェブテスト、〈ストレングス・ファインダー2.0〉のアクセスコードも付す。
要約
まず、あなたの強みを見つけよう
「努力すれば、何にでもなりたいものになれる」
私は若い頃、この格言 ―― アメリカの神話を信じていた。次のマイケル・ジョーダンになろうと毎日3、4時間、バスケットのゴールに向かってシュート練習を繰り返した。だが、5年以上努力を続けても、二軍選手にさえなれなかった。
才能を伸ばすことにエネルギーを注ぐ
人は、何にでもなりたいものになれるわけではない。しかし、どんな人でも、生まれ持った才能に専念した時、成功する可能性は大いにある。説得力ある事例を紹介しよう。
ヘクターはすばらしい靴職人として知られていた。だが彼は、自分の商売が小規模であることに不満を持っていた。1週間に何百もの靴をつくれるのに、実際につくっているのは約30足だった。
友人が理由を尋ねたところ、彼は「靴をつくるのは得意だが売るのが苦手で、特に集金が不得意だ」と説明した。ヘクターは、自分の不得意なことにほとんどの時間を割いていたのだ。
そこで友人は、セールスとマーケティングの才能を持つセルジオをヘクターに紹介した。それぞれの強みを合わせて、2人は一緒に働くことにした。1年後、強みに基づいたこのコンビは、週に100足以上の靴を生産、販売、集金していた。
多くの場合、自分に適した仕事につけば、物事はこのように簡単に運ぶのだ。才能を伸ばすことにエネルギーの多くを注ぐことができれば、私たちは飛躍的な成長を遂げられる。
あなたは「強みのゾーン」にいるか
自分の「強み」を伸ばす機会を持つのは、成功するために重要なことである。だが、私たちが調査したすべての職種で、大多数の人が「最も得意とすることに専念する機会がない」と答えている。
職場で自分の強みを発揮できないと、「仕事へ行くのが不安」「前向きに考えられない」といった状態に陥る可能性がある。反対に、強みを活かしている人は自信と希望にあふれ、他人を思いやる余裕も生まれることが調査から明らかになった。
であれば、なぜ多くの人が「強みのアプローチ」を使って生活しないのか。最も大きな問題は、ほとんどの人が自分の強みを知らないか、知っていても説明できないことだ。
才能を明らかにする
1960年代半ば、強みの心理学の父であるドン・クリフトンは、人の悪いところを表現する「言葉」は数えきれないほどあることに気づいた。また、ビジネスの世界では多数のコンピテンシーモデル(高い業績を生み出している人が持つ特徴的な行動特性)が指摘されているが、その多くは「何がうまくいっていないか」を説明することに重点を置いている。