2017年9月号掲載
「学習する組織」入門 自分・チーム・会社が変わる 持続的成長の技術と実践
著者紹介
概要
世界的ベストセラー、ピーター・センゲ著『学習する組織』。この、約600頁に及ぶ名著の組織開発メソッドの要諦をわかりやすく説く。ナイキ、VISAなど多くの企業・組織で実践されてきたセンゲの理論・手法体系を、自分の組織でどう活用し、組織をどう進化させられるか、具体的・実践的に考えるきっかけとなる入門書だ。
要約
「学習する組織」とは何か
今日、事業環境は絶えず変化している。それは今後ますます加速し、組織は様々な変化に直面し続けるだろう。
では、どうすれば事業環境の変化に適応した組織を創り出せるのだろうか?
変化に適応した組織を実現するには、「学習能力」が必要だ。組織の学習能力こそが、持続可能な競争優位や価値創造の最も確かな源泉である。
学習とは? 学習する組織とは?
では、「学習」とは何を意味するのか?
本書では、学習する組織における学習を、「目的に向けて効果的に行動するための意識と能力を高めること」と定義する。
ここでいう「能力(ケイパビリティ)」とは、目的を達成するために行為者が繰り返し行うルーティンである。「意識(アウェアネス)」とは、行為者がどの程度、現実にある外の世界や自分自身の行動、そして自身や集団の心の中で何が起こっているかに気づいているかの度合いを指す。
そして「学習する組織」は、次のように定義される。
目的に向けて効果的に行動するために
集団としての意識と能力を
継続的に高め、伸ばし続ける組織
学習する組織の目指す成果
こうした「学習する組織」への研鑽を続けることで、組織は次のような状態になる。