2017年10月号掲載
「超」文章法 伝えたいことをどう書くか
- 著者
- 出版社
- 発行日2002年10月25日
- 定価858円
- ページ数265ページ
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著者紹介
概要
『「超」整理法』をはじめ、多くの話題の書を著してきた野口悠紀雄氏が、読者を引き付け、自分の主張を印象的に伝えるための文章術を説く。メッセージを明確にする、序論・本論・結論の3部で構成する、比喩や具体例を活用する…。「ためになり、面白く、わかりやすい」文章を書く上で役立つノウハウが満載の1冊。
要約
メッセージこそ重要だ
本書は、文章を書く際にすぐに使えるマニュアルになることを目指している。ここでいう文章とは「論述文」で、具体的には論文、解説文、報告文、企画書、評論などである。
このジャンルの文章の目的は、読み手を感動させることではない。読者を説得し、自分の主張を広めることだ。そのためには、内容が有益で、読者が興味をもって読み始めるものでないといけない。さらに、理解しやすいものでないといけない。
論述文の成否は、メッセージで決まる
文章を書く作業の出発点は、メッセージの明確化である。これは「読者にどうしても伝えたい」内容だ。論述文の場合は、主張や発見である。
例えば、「仕事を効率的に進めるには、書類の整理をうまく行う必要がある」では、メッセージになっていない。主張でもないし、発見でもないからだ。当たり前のことを確認しただけだ。
一方、「書類は、内容別に分類するのでなく、時間順に並べるのがよい」なら、メッセージだ。これは、明快な主張だからである。
学術的な論文が成功するか否かは、9割以上、適切なメッセージを見いだせたかどうかで決まる。うまいメッセージを見いだせれば、ほぼ成功だ。
ひとことで言えるか?
では、ある命題を「メッセージ」といえるかどうかは、どのように判断できるか?
第1の条件は、「ひとことで言えること」だ。これこそが最も重要な条件である。
博士論文の口述試験の際、発表後に「それで、君の言いたいことは、要するにどういうことか?ひとことで言えば何だ?」と尋ねることが多い。
これは、発表が要領を得なかったからだ。これに対する答えが再び要領を得ないものなら、発表者は適切なメッセージを捉えていない、といえる。
書きたくてたまらないか?
適切なメッセージが見つかれば、「どうしても書きたい」と考えるようになる。これが、ある命題がメッセージといえるための第2の条件だ。