2018年3月号掲載
「おカネの天才」の育て方 一生おカネに困らないために、親が子供に伝えるべき「おカネの話」
Original Title :MAKE YOUR KID A MONEY GENIUS (EVEN IF YOU'RE NOT)
著者紹介
概要
多くの親は、子供との「おカネの話」を避けたがる。間違ったことを教えてしまわないかと、不安になったりするからだ。しかし、金銭教育は大切である。研究によれば、おカネの管理に役立つ習慣の多くは7歳までに決まる。本書は、おカネについて親は何をどう教えるべきか、子供の年齢層ごとにわかりやすくアドバイスする。
要約
子供とおカネについて話そう
子供がおカネの話をすると、たいていの親はうろたえる。おカネについて、親は子供に話したがらない。なぜか。それは、親自身がおカネに詳しくないと感じているからだ。
しかし、子供がおカネをどう扱うようになるかに最も大きな影響を与えるのは親なのだ。それは研究でも明らかになっている。ケンブリッジ大学の研究によると、おカネの管理に役立つ習慣の多くは、7歳までに決まるという。
だから、早くからおカネの話をした方がいい。その際、気をつけたいこと、子供とおカネの話をする時のルールには、次のようなものがある。
まだ早いと思う時期から話を始める
子供は3歳にもなると、おカネの概念を理解できるようになる。価値や交換といった概念がわかり始める。また、目の前のものを我慢できるようになる。これらは基本的だが、日常生活でのおカネの役目を理解するのに重要な知識だ。
子供が財布の中を見たがったら、おカネがどこからくるのか、どうおカネを支払うのかを教えるきっかけにしてほしい。おそらくあなたが思う以上に、子供はあなたの言葉を吸収するはずだ。
エピソードを話す
たとえ話で要点を伝えよう。
私の友達が自動車ローンを借りようとした時、クレジットカードの借金がかさんでいたために、まともな金利でローンを借りられなかった。その話を子供に詳しくしたことがある。ちょっとしたおカネのしくじりが、後で大変なことになるという実際のエピソードを話すと、子供の心に刺さる。
前向きな教えも同じだ。10年間、毎月給料の1%をコツコツと貯めていたお隣さんが、とうとう夢だったボートを買ったというような話である。身の回りのエピソードでいい。
数字を使う。数字嫌いでもかまわない
具体的な数字を示すと、おカネの話は理解しやすい。子供には、「若いうちから確定拠出年金におカネを入れることが大事なんだよ」と言うより、「22歳から毎月315ドルを確定拠出口座に入れておくと、65歳の時には100万ドル以上(1億円以上)になるんだよ」と言った方がわかりやすい。
時と場所を選んで話し合う
おカネについての教えを、日常生活の中にうまく織り込む。例えば、息子がおばあちゃんからお小遣いをもらったら、一緒に銀行に行って貯蓄預金口座を開き、お小遣いを貯めさせよう。それが、金利と選択について話し合うきっかけになる。
子供の前で大盤振る舞いをしない
子供にクレジットカード負債の危険を話しながら、両手いっぱいにデパートの袋を抱えていたら、子供は納得せず、そんなのは口だけだと思われる。