2018年3月号掲載
脳が冴える最高の習慣術 3週間で「集中力」「記憶力」を取り戻す
Original Title :THE BRAIN FOG FIX:Reclaim Your Focus, Memory, and Joy in Just 3 Weeks
著者紹介
概要
今、頭がぼんやりして、集中できない人が増えている。その原因と処方箋を、米国のセラピストが示した。慢性的な認知と気分の問題を解決するカギは、ライフスタイルを「脳にいい」ものに改めること。食事や睡眠のとり方、運動、ソーシャルメディアとの付き合い方…。ちょっとした習慣を変えるだけで、脳の活力は取り戻せる!
要約
「脳」は「食べ物」によって作られる
新しい流行病が、今アメリカを襲っている。
その病気は色んな名前で呼ばれている。「ブレイン・フォグ(頭に霧がかかったようになって、思考力が働かなくなること)」や「うつ病」と呼ぶ人もいれば、「ADHD(注意欠陥・多動性障害)」「集中力の欠如」などと呼ぶ人もいる。
なぜ、多くの人がこの病気で苦しんでいるのか。
簡単に言えば、私たちが自分の脳をサポートしないからだ。そのせいで、活力や集中力、やる気を保つのに欠かせない「脳内化学物質」を、脳が十分に作れない。
私たちが不適切な食べ物を口にし、十分な睡眠をとらず、十分な運動もしなかったら、脳内化学物質のバランスは確実に悪くなる。気分をよくする脳内化学物質「セロトニン」と「ドーパミン」を高濃度に保ち、ストレスホルモンの「コルチゾール」を低濃度に抑えることができないのだ。
そうなると、頭がうまく働かなくなり、気分が落ち込む。
幸い、脳の健康状態を改善することは、それほど難しくはない。その方法をお伝えしよう。
まずは、適切な食べ物を食べて、脳が必要としている栄養素を供給しよう。それが、あなたの脳を守る第一歩になる。
炭水化物 ―― 血糖値の急上昇と急降下を招く
脳内化学物質に大きな影響を及ぼすものの1つが、「血糖(血液中のブドウ糖)」である。
私たちが食べるもの次第で、血糖を適度な値に保つこともできるし、血糖値の急上昇と急降下を招くこともある。血糖値の急上昇と急降下は、脳内化学物質のバランスを根本的に狂わせる。
さらに、近年になって、食べ過ぎや不適切な食べ物が、うつや認知症、アルツハイマー病に繋がることが明らかになった。血糖が増えれば、2型糖尿病になる恐れがあり、2型糖尿病になったら、アルツハイマー病になる恐れがあるのだ。なぜか。