2019年5月号掲載

GREAT BOSS シリコンバレー式ずけずけ言う力

Original Title :RADICAL CANDOR:Be a Kick-Ass Boss Without Losing Your Humanity

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著者紹介

概要

いい上司になる上で欠かせないのは、部下といい人間関係を築くこと。そのためには、相手を心から気にかけながら、言いにくいことをズバリと言うことが大切だ。本書では、「徹底的なホンネ」を軸とする、力や権威に代わる、新たな上司術を紹介。アップルやグーグルで管理職を指導した著者が、自らの体験を交え、指南する。

要約

「徹底的なホンネ」の関係を築く

 起業家である私は、いくつかのハイテク企業でアドバイザーも務めている。仕事がら、会う人会う人に、いい上司、いい管理職、いいリーダーになるにはどうしたらいいか、とよく聞かれる。

 こうした質問の裏には、マネジメント能力への不安がある。専門能力には自信があっても、マネジメントに自信のない人は多い。部下の期待に沿えていないのではないかと、上司は恐れている。

 次によく受ける質問は、マネジメントの3つの責任に関わるものである。「メンバーの指導」「チームの構築」、そして「結果を出す」だ。

 この3つが、どんな上司にも求められる責任だ。マネジメントの立場にある人が、部下に正しく接しているかを気にかけ、上司としての3つの責任について質問するのは自然なことだ。

上司の力の源泉は権力ではなく人間関係

 私はよく質問をされると言ったが、一番重要な質問はあまり聞かない。「いい上司になる」ことの核心部分を訊ねる人はほとんどいないのだ。

 例外は、クアルトリクス社のライアン・スミスCEO。彼が最初に訊ねたのは、次の質問だった。

 「最近チームに数名のリーダーを雇った。彼らとの絆を早いうちに築くにはどうしたらいい? 私が彼らを信頼し、彼らも私を信頼できるような関係になりたいんだ」

 彼が口にした、マネジメントの最も難しい部分に目を向ける人はほとんどいない。それは、直属の部下1人1人と信頼関係を築くという点だ。上司としての3つの責任を果たせるかどうかは、部下との関係にかかっている。

 この点について助けになるのが、「徹底的なホンネ」の関係というコンセプトである。

「徹底的なホンネ」の関係とは何か?

 信頼関係を築くことは単純な作業ではない。だが、次の2つの姿勢を組み合わせれば可能になる。

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