2019年6月号掲載

アメリカ海軍に学ぶ「最強のチーム」のつくり方

Original Title :IT'S YOUR SHIP

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著者紹介

概要

「部下の身になって、何が一番大事かを考えてみる」「いかに才能を育て、伸ばすかに重点を置く」…。米海軍一の落ちこぼれ軍艦を立て直し、自主性にあふれる強いチームへと導いた元艦長が、その秘訣を語った。部下をやる気にさせる原則や、現場の問題点の見つけ方、信頼できるチームのつくり方等々、多くを学べる書である。

要約

「硬直した組織」に変化を起こす

 誘導ミサイル駆逐艦ベンフォルドは、最新の設備を備えた軍艦だ。にもかかわらず、「米海軍で一番下のダメ軍艦」とレッテルを貼られていた。

 私は、この艦に新任艦長として乗り込み、短期間で「全米一」と評価されるほど優秀な艦に立て直した。その方法をいくつか紹介しよう ―― 。

「行きづまった組織」をどう変えるか

 組織の指揮をとるにあたり、私が立てた方針は実にシンプルだった。それは、「部下の身になって、何が一番大事かを考えてみる」ということだ。

 現代の仕事は多様化している。有能な人間は自分にふさわしいと思える仕事を求めて、次々と職場を移る。ベンフォルドからも、毎年多くの優秀な人材が離れていた。私はまず、この現状をどうにかしたいと考え、原因を探ることから着手した。

 私は、彼らが艦を離れていく第1の理由は、給料が安いことだと思っていたが、驚いたことに、それは5番目の理由だった。第1の理由は「上司から大切に扱ってもらえないこと」だったのだ。

 第2は、積極的な行動を抑え込まれること。

 第3は、意見に耳を貸してもらえないこと。

 第4は、責任範囲を拡大してもらえないことだ。

この「ひと言」で部下が大きく変わった

 最先端のテクノロジーが装備されたベンフォルドのシステムは極めて複雑で、1人の人間があらゆることを掌握し続けることはできない。部下からより多くの能力を引き出し、彼らに責任を持つように求めることが必要になる。

 私に要求されているのは、突発する問題に的確な状況判断を下し、仕事を進めること、そのために部下の能力を最大限に引き出すことだった。

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