2019年7月号掲載
ハーバード・ビジネス・レビュー[EIシリーズ] オーセンティック・リーダーシップ
Original Title :AUTHENTIC LEADERSHIP:HBR Emotional Intelligence Series
- 著者
- 出版社
- 発行日2019年5月8日
- 定価1,540円
- ページ数163ページ
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概要
今、カリスマを真似るのではなく、自分なりの価値観で人々を引っ張る「オーセンティック・リーダーシップ」が注目されている。この新たなリーダーシップに関する第一人者らの論考を『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌が厳選し、まとめた。自分らしさを貫く方法、メリット・デメリットなど、多様な観点から論じた1冊だ。
要約
「自分らしさ」を貫くリーダーシップ
ハーバード・ビジネススクール教授
ビル・ジョージ 他
この半世紀、リーダーシップの研究者は1000以上の調査研究を実施し、「これが一流のリーダーである」と言えるスタイル、特性、資質を探ろうとしてきた。しかし、理想のリーダー像を描き出した研究は1つもない。
これは幸いなことだ。もし学者が理想のリーダーシップなるものを突き止めていれば、それを再現するために、皆、汲々としているだろう。誰かの真似をするとは、本来の自分を偽ることである。
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筆者の1人、ビル・ジョージが2003年に上梓した著書は、「自分らしさを貫くリーダーになりなさい」というメッセージを訴える内容だった。
「オーセンティック(自分らしさ)」を貫くリーダーは、目標に情熱的に取り組み、自らの価値観をぶれることなく実践し、知識だけでなく感情の面からも人々を引っ張っていく。実りある人間関係を築き、自らを律することで結果を出す。それもこれも、自分自身をよく知っているからだ。
では、自分らしさを貫くリーダーになるにはどうすればよいのか。
私たちはこの課題に取り組むべく125人のリーダーたちにインタビュー調査を実施し、どのようにリーダーシップを伸ばしてきたのかについて尋ねた。この調査で明らかになった教訓に基づいて、自分らしさを貫くリーダーになる方法をいくつか説明しよう。
自分史に学ぶ
自分らしさを貫くリーダーシップへの第一歩は、自分の半生について理解することにある。自分史は様々な経験に意味を与え、人はそれによって、社会の中でなすべきことを見つけることができる。
かつて作家のジョン・バースが書いたように、「自分史はあなたの人生そのものではない。あなたが語る物語である」。言い換えれば、肝心なのは人生に起こった事実ではなく、それをあなたがどのように意味づけて語るかなのだ。