2021年10月号掲載

[新版]「3つの言葉」だけで売上が伸びる質問型営業

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著者紹介

概要

説明し、説得し、売り込む。これが典型的な営業手法である。だが、本当に顧客の役に立ちたいなら、「質問型営業」を試してみるべきだ。質問を重ね、顧客の欲求や課題を理解することで、労せず契約を結べる。その上、感謝までされる。そんな質問型営業の原則や実践法を詳述。5カ国で翻訳された、ロングセラーの新版である。

要約

営業の秘訣

 私は42歳の時、人材教育カリキュラムの営業をしていた。説明し、説得し、そして売り込む典型的な営業マン。成果は出していたものの、お客様が本当に喜んでいるのか、確信はなかった。

 それがある経営者との商談で、「あっ、そうか! これが営業の秘訣だったのか」という言葉が私の心の内から湧いてきた。商品説明を一切せずに、成約できたのだ。私が長年、追い求めていた営業の秘訣がわかった瞬間だった。

 この営業スタイルを「質問型営業」と名づけた。多くの営業マンは、お客様の「ほしい!」という欲求が芽生えないうちに説明をしてしまうから、失敗するのだ。失敗を避けるには、聞く順番を正すこと。次の「3つの言葉」を会話に順に取り入れるだけで、確実にお客様の反応が変わる。

 「なぜ?」「たとえば?」「ということは?」

営業とはお役立ち

 質問型営業の説明の前に、まず、営業の原則を確認しよう。

 第1の原則は「営業とはお役立ち」であるということ。お役に立ちたいという気持ちで、困っているお客様の問題を解決する。そして、望んでいることを実現するサポートが営業の仕事である。

 では、どのような形でお役立ちを行えばいいのか? まず、「お客様が何を望んでいるか?」「何を必要としているか?」「何を解決したいと思っているか?」を質問して聞くことだ。その際、次のような点に留意する。

 まず、お客様のことを好きになろうとすること。そうすれば、目の前のお客様のことを知りたいという気持ちから、自然に質問が出てくる。

人の行動原則を見極める

 第2の原則は、「人の行動原則」についてである。その行動原則とは、人は皆、「自分の思った通りに動きたいと思い、事実そうしている」ということだ。もっと強い表現にすると、「人は自分の思った通りにしか動かない」となる。

 人間は、感情を持っている。だからこそ、日々の出来事などから常に何かを感じたり、何かを思ったりする。そのことが気になると考えだし、考えがまとまると行動になる。だから、「感じたり、思ったり」が行動のスタートである。

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