2022年1月号掲載
「社会主義化」するアメリカ 若者たちはどんな未来を描いているのか
- 著者
- 出版社
- 発行日2021年10月22日
- 定価2,640円
- ページ数259ページ
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著者紹介
概要
アメリカ合衆国。自由と競争を愛するこの国で、今、「社会主義」にひかれる若者が増えている。国民皆保険や授業料無償化、所得再分配…。彼らはこうした政策を支持する。本書は、これら「ミレニアル世代」「Z世代」と呼ばれる、1981~2012年生まれの若者を分析したもの。彼らの特徴、そして政治や社会に及ぼす影響を説く。
要約
米国の若者の社会主義ブーム
近年、米国では「社会主義」に傾倒する若者が急増している ―― 。
4~5割は社会主義に好意的
米国では生まれた年によって世代が区分され、「ベビーブーマー世代(1946~64年)」「X世代(1965~80年)」「ミレニアル世代(1981~96年)」「Z世代(1997~2012年)」などと呼ばれる。
今、このミレニアル世代以降の「若者」の間で社会主義がある種のブームになっている。
英調査会社ユーガブが米国人を対象に2020年に実施した世論調査によると、社会主義に好意的な人は前年の36%から40%に増加。特に、Z世代では前年の40%から49%まで増えた。ほぼ2人に1人は社会主義に好印象を持っている計算だ。
ミレニアル世代については、社会主義に好意的と回答した人は47%。資本主義に好意的と回答した人(43%)を上回る。
ミレニアル世代以降が総人口の過半に
2019年時点で、ミレニアル世代の人口は約7200万人。ベビーブーマー世代(約6900万人)を抜いて、最大の人口集団となった。
さらに2020年時点で、ミレニアル世代とZ世代、それ以降のポストZ世代(2013年生まれ~)を合わせた世代は、総人口の過半を占めた。
米国では、18歳になると選挙権を得られる。今後、Z世代で選挙権を得られる人が徐々に増えていくと、投票資格のある有権者に占める若者の比率も徐々に高まっていく。
分岐点は2028年。この年の選挙では、若者の比率が有権者全体の約半数を占めるようになる。有権者の「最大勢力」として、大統領選挙や連邦議会選挙、州知事・議会選挙などで重要政策について大きな発言力を得るようになる。
人種面の多様性
ミレニアル世代とその後のZ世代の最大の特徴は、人種面での多様性にある。
ベビーブーマー世代やそれ以前の世代では、白人の占める比率は70%を超えていた。しかし、ミレニアル世代では白人比率は55%に低下。Z世代では51%まで下がり、ポストZ世代では5割未満になる。米国史上で初めて、白人という多数派が少数派に転じる世代が生まれる。