2023年7月号掲載

「価値」こそがすべて! ハーバード・ビジネス・スクール教授の戦略講義

Original Title :BETTER, SIMPLER STRATEGY (2021年刊)

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著者紹介

概要

著者がハーバード・ビジネス・スクールで教える、最先端かつシンプルな戦略、「バリューベース戦略」を徹底解説。簡単な図を使い、圧倒的なパフォーマンスを引き出す方法を伝授する。カギとなるのは「支払意思額(WTP)」と「売却意思額(WTS)」。WTPを高めるかWTSを低くすることで、企業は付加価値を創り出せるという。

要約

よりシンプルに、より良く

 本書で紹介する「バリューベース戦略」は、現在、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)のエグゼクティブ・コースや、MBAプログラムで教えている戦略への主要なアプローチである。

バリューベース戦略の基本的な考え方

 バリューベース戦略の基本的な考え方は、これ以上ないほどシンプルだ。

 「持続的に高いパフォーマンスをあげている企業は、顧客、従業員、あるいはサプライヤーに対して確固たる価値を創造している」

 この考え方は、私が“バリュースティック”と呼ぶ図を見れば、理解しやすい。

 

 

・WTP(Willingness to pay、支払意思額)

 バリュースティックの上限に位置する「WTP(支払意思額)」は、顧客の視点を表している。具体的には、顧客が製品やサービスに対して支払うであろう上限額のことである。

・WTS(Willingness to sell、売却意思額)

 バリュースティックの下限に位置する「WTS(売却意思額)」は、従業員とサプライヤーに関するものだ。従業員にとって、WTSはジョブオファーを受け入れるために必要な最低限の報酬のことだ。企業が仕事を魅力的なものにできれば、WTSは下がる。逆に、仕事が危険な場合、WTSは上昇し、従業員はより多くの報酬を必要とする。

 サプライヤーの場合、WTSは製品やサービスを供給できる最低限の価格を意味する。サプライヤーにとって、製品の生産と出荷が容易になれば、そのWTSは低下する。

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