2024年6月号掲載

Love the Problem(ラブ ザ プロブレム) 問題に恋をしよう ユニコーン起業家の思考法

Original Title :FALL IN LOVE WITH THE PROBLEM, NOT THE SOLUTION (2023年刊)

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著者紹介

概要

著者は2社のユニコーン(評価額が10億ドルを超える企業)を立ち上げた、イスラエルの起業家。「自分が解決しようとしている問題に、恋をするのがいい」。そんなユニークな持論を述べ、起業における留意点を自らの経験を交えつつ明かす。起業家はもちろん、新規事業の担当者らにもアイデアを形にするヒントを与えてくれる1冊。

要約

解決策ではなく、問題に恋をしよう

 2013年、グーグルから、私が6年前に立ち上げたソーシャルカーナビゲーションアプリ「ウェイズ」を買収したいとの連絡がきた。買収金額は11億5000万ドル。私はイエスと返事をした。

 それ以降、私はフェアフライ、ムービットなど数社のスタートアップを立ち上げた ―― 。

ウェイズの誕生

 2006年、私は家族や親類を連れて新年の休暇にイスラエル北端の町メトゥラヘ出かけた。自宅からは200kmほど離れている。休暇が終わり、3時間かけて家路をたどる時がやってきた。私たちは車10台の大所帯だったが、誰もが心の中で同じことを考えていた。

 「家に帰るには、どのルートが最適か?」

 メトゥラから自宅までのルートは2つしかない。どちらの道を行くのがよいか、確実に知る方法はなかった。私たちの車は出発が最後になったので、「誰かがどちらの道が混んでいるか教えてくれたらいいのに」と考えていた。

 そして、はたと気づいた。そうだ。教えてもらえる。私は前を行く親類に電話をかけた。

 「今走っている道は混んでいる?」

 それが「ひらめき」の瞬間だった。私に必要なのは、私の前を走行し、道路の状況を教えてくれる人だ。このひらめきがウェイズの真髄となった。

不満から始まる

 ウェイズを立ち上げたのは、渋滞が嫌いだったからだ。フライト予約サービスの「フェアフライ」を立ち上げたのは、航空券が購入後に安くなって損をするのが嫌だったからだ。

 私に「問題」の存在を教えてくれるのはいつも不満だ。その後で、それが大きな問題か、つまり解決に値する問題か否かを見極める。大きな問題を解決したら、多くの価値が生まれ、成功できる。

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