変化を起こすリーダーはまず信頼を構築する　生き残る組織に変えるリーダーシップ

課題は必ず解決できる

　私たちはこれまで、何千人ものリーダーに対して仕事に取り組む際のアドバイスをしてきた。その中で、課題を素早く解決するリーダーには明確なパターンがあることに気づいた。彼らは「スピード」と「信頼」を大切にしていたのだ。

　この2つの間には、明らかな関連性があった。リーダーは、自分のリーダーシップにおいても、つくりあげようとしている組織においても、信頼を構築するほど、より早く、真に持続的な方法で変化を起こすことができるようになるのだ。

課題を素早く解決するためのプレイブック

　そうしたリーダーの研究から生まれたのが、「課題を素早く解決するためのプレイブック」だ。破綻した企業文化であろうと、もはや市場に合わなくなった製品であろうと、課題の種類は問わない。このプレイブックは、難しい課題を早急に解決するための作業手順を伝えるものだ。

　取り組むべき作業は、月曜日から金曜日まで、1日に1段階である。

①月曜日：真の課題を突きとめる

　前に進む際の障害物を明るみに出す。それは、はっきりと認識できていないもの、あるいはまだ解決法がわからない課題かもしれない。

②火曜日：信頼の課題を解決する

　真の課題に取り組んでいることが確信できたら、賢明な実験を行って素早く学び、信頼構築をもとにした課題解決法を考え出す。

③水曜日：新たな友人をつくる

　他者の知識を活用して、新たに生まれた計画をより良いものにする。ここではまず、自分とは異なる考え方をする人たちに目を向ける。

④木曜日：良い物語を伝える

　計画に確信が持てたら、組織の過去、現在、未来をつなぐ説得力のある改革の物語を伝える。

⑤金曜日：全速力で進む

　周りの人をエンパワーし、速度を上げて、しかも破壊のリスクは下げて、計画を実行する。

　上記の作業について、いくつか順に見ていこう。