2025年1月号掲載

BCGが読む経営の論点 2025

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概要

2025年、日本企業が優先的に考えるべき「経営上の重要論点」を、BCG(ボストン コンサルティング グループ)が提示した。生成AIの活用、価格戦略(プライシング)の見直しなど。持続的成長を実現するための具体策が、データとともに語られる。企業を取り巻く不確実性が増す中、時代の潮目を読み取る上でも役立つだろう。

要約

2025年の経営論点

 日本企業が今後10年超にわたって、持続的な成長を実現していく上で重要となる論点は何か?

 本書は、2025年時点において、経営者が優先的に考えるべきマネジメント上の論点を提示するものである。それは、例えば次のようなものだ。

 

生成AIを武器にする

 生成AIはあらゆるビジネスにとって必須のテクノロジーになりつつある。ただ、多くの日本企業では、本格的な活用に至っていないのが実態だ。

生成AI活用にネガティブな日本

 BCGが2024年に15カ国を対象に実施した調査では、生成AIを業務で使用する人の割合は、管理職・従業員ともに日本が最低だった。世界平均は管理職で56%、従業員で43%のところ、日本は前者が31%、後者が16%と顕著に低い。

 なぜ、日本はAI活用にネガティブなのか。これにはいくつかの理由が考えられる。

 まず、AI導入以前のDX(デジタルトランスフォーメーション)が他国に比べて遅れている。また、日本企業はあらゆる面で要求水準が高く、ミスが許されない風潮がある。

 「機械が行うサービスは完璧にできて当たり前」という期待も根強い。ハルシネーション(もっともらしい誤答)リスクのある生成AIは、導入するのに乗り越えるべき基準が特に厳しいため、なかなか現実的な活用にまで至らないのだ。

導入・活用の前提となる“黄金比”

 ここで意識したいのは、BCGが提唱する「10:20:70」の法則だ。これはAIに関する取り組みのリソース配分を示すもので、10%をアルゴリズム、20%を基盤となるデータとテクノロジー、70%を人とプロセスに振り分けるという考え方だ。

 人とプロセスに7割を投じるのは多いと感じるかもしれないが、生成AIは従来のAIとは異なる。機械学習が中心だった以前のAIブームでは影響を受けた労働者は5%未満だったが、生成AIはテクノロジー系以外の職種にも広く影響を与える。生成AIの活用によって全社規模で生産性を向上させるには、組織体制を見直すことが必須となる。

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ボストン コンサルティング グループ(編) 日経BP