早いもので、もう12月。2023年も残り1カ月となりました。
今年を振り返ると、バスケットボールとラグビーのW杯が開催されたり、野球では阪神タイガースとオリックス・バファローズによる関西ダービーが行われたりと、スポーツで日本が盛り上がった1年だったように思います。私はサッカーが好きでよく試合を見るのですが、先月、ヴィッセル神戸が悲願のJ1リーグ初優勝を達成した時は感極まりました。
そんなサッカーで、現在(11月30日時点)、J1昇格プレーオフを戦っている清水エスパルスに関する興味深い新聞記事を目にしました。2023年シーズンの平均観客動員数は2022年並みにとどまったものの、興行収入は過去最高を更新する見通しだというのです(「サッカーJ2清水、興行収入過去最高へ 変動価格制奏功」/日本経済新聞2023年11月16日)。
清水エスパルスは22年シーズンJ1での成績が振るわず、J2に降格したクラブです。元日本代表選手も所属する歴史あるクラブとはいえ、なぜJ1にいた時よりも多い興行収入を記録することができたのでしょうか?
記事では、その一因として、入場料金の「ダイナミックプライシング(変動価格制)」が功を奏したことを挙げています。ダイナミックプライシングとは、需給状況に応じて料金を上下させる手法のこと。宿泊料金や航空券の値段が繁忙期と閑散期とで大きく異なるように、人気のある試合の時にはチケットの価格を上げ、平日開催などで集客が少ない時には下げることで、全体収益の向上を目指すものです。現在、AIやビッグデータの活用とともに、ダイナミックプライシングは様々な企業・業界へと広がりを見せています。
清水エスパルスのように、価格設定を見直すことで収益を向上させる企業がある一方で、自社の商品・サービスの適正価格の見極めに悩む企業は少なくないのではないでしょうか。自社の商品・サービスは良いのになかなか売れないからと、競合他社の価格を目安に売値を下げた結果、売れても利益が薄くなってしまった ―― 。このような事例を少なからず見かけます。
そこで紹介したいのが、「マネタイズ」(収益化)のポイントをわかりやすく説いた『マネタイズ戦略 顧客価値提案にイノベーションを起こす新しい発想』(川上昌直/ダイヤモンド社)です。今回はこちらの本をPick Upします。
経営学者である著者の川上昌直氏は、「はじめに」で次のように述べています。
このPick Up本を読んだ方は、
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