「一帯一路」構想は北京が第二次世界大戦後の国際秩序を変えるために必要とする、最も強力な手段なのだ。
解説
「一帯一路」構想として知られる、中国の海外インフラ投資の巨大プログラム。これは「経済的な国策」であり、さらに正確に言えば、経済的な恐喝である。
その目的は、中国の余剰資本への新たな投資先の提供や、貧しい国々への支援に留まらない。この構想は北京にとって、世界の地政学体制を再編する最大のツールなのだ。
習近平は自身が唱える「人類共通の運命共同体」を構築するビジョンに不可欠なものとして、一帯一路構想に繰り返し言及している。
これは西洋諸国の人々の耳には聞こえの良い考えかもしれないが、その真の目的は、中国を中心とした世界の構築だ。彼らは、中国主導の世界秩序を「中華民族の偉大なる復興」に不可欠な要素と見ている。従って、一帯一路構想は、北京が第二次世界大戦後の国際秩序を変えるための、最も強力な手段なのだ。
人民解放軍退役少将の喬良は、2015年のスピーチで、一帯一路構想を「中国がアメリカを越えるための手段」だとあからさまに説明している。
また、2019年、一帯一路プロジェクトに関する中国とマレーシアの会合から漏れ出た文書には、次のようなことが書かれていた。
―― 同プロジェクトには「政治的な性質」があるが、大衆にはそれを市場原理によって動かされたものと見せるよう仕向けなければならない。