2006年11月号掲載
J.D.パワー 顧客満足のすべて 信頼と品質は顧客が決める
Original Title :SATISFACTION
著者紹介
概要
「顧客満足」がビジネスにとって重要だということは、論を待たない。問題は、それをいかにマネジメントするかだ。インターネットが普及した今日、自社の商品・サービスの悪口を言いふらす顧客=「刺客」を1人でも作れば、企業は大きな被害を受ける。本書では豊富な事例を元に、刺客を減らし、熱烈なファンである「推奨者」を数多く作るための極意を提示する。
要約
推奨者、無関心者、刺客
雨の降る夜、1人の重役が空港に着き、外の停留所でハーツレンタカーの送迎バスを待っていた。
しばらくすると、エイビスのバスが来た。運転手はずぶぬれの彼を見て「エイビスのお客さんですか」と聞いた。重役が20分前からハーツのバスを待っていると答えると、運転手はこう言った。「どうぞ。ハーツで降ろしてあげますよ」。
バスに乗り込んだ重役は、ハーツの予約を断り、エイビスで車を借りることにした。そして、この晩以来エイビスの常連客になったばかりか、この時の出来事をあちこちで話した —— 。
この運転手は、ちょっとした親切心を起こしただけだったが、その小さな親切が、ライバル会社の得意客を自社の推奨者に変えてしまったのだ。
顧客は、この「推奨者」、および「無関心者」「刺客」の3つのカテゴリーに分けられる。
「推奨者」とは、企業、サービス、商品の熱狂的な信者となった顧客のことで、商品やサービスを積極的に人に薦めてくれる。
「無関心者」は、満足しただけの顧客。最低限の期待しか満たされなかったため、無関心・無感動で、商品やサービスに伴う不便さに耐えたりするほどではない。他社からの勧誘にも弱い。
「刺客」は、その業界で最低限とされる期待が満たされなかったり、問題が適切に対処されない場合に生まれる。彼らは、その企業とは付き合わないように説いて回るなど、強い主張をする。
今日、企業にとって最大の課題は、無関心者を推奨者に転換させることである。たいてい無関心者の方が、刺客よりも圧倒的に多いからだ。
つまり、顧客満足に対する投資でより大きな成果を生むには、無関心者を推奨者に変えるコスト効果の高い方法を見つけることである。