2007年12月号掲載

「格差突破力」をつける方法 勉強法から人生戦略まで

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著者紹介

概要

今、日本は一握りの上流と、大多数の下流に二極分化しつつある。この格差社会において、中流の暮らしを守りたいのであれば、「格差突破力」を備える必要がある。時代のトレンドを読む力、ゴミ情報を見分ける力、良質の人的ネットワークを作る力…。こうした格差突破力を磨くことなく、ただ漫然と生きていくなら、下流転落は必至である!

要約

「時代のトレンド」を読む

 今日の日本は格差社会が到来した、と言われる。

 社会の中間層が薄くなり、一握りの上流と大多数の下流に二極分化しつつあるわけだが、これは決して望ましいことではない。中間層の厚い社会が、最も多くの人々に幸福をもたらすからだ。

 社会の中間層を厚くするには、政治経済上の政策が必要である。しかし、日本の政策は二極分化をむしろ推進する方向へと動いている。

 下流に突き落とされないためには、個人は中流の暮らしをいかに確保するかについて、意識的に努力する必要がある。すなわち、「格差突破力」を身につけなければならない。

近未来の日本のトレンドは何か

 普通の人が格差社会を勝ち抜くためには、時代のトレンドを読みながら、自分の生き方を定めていくことが大切である。

 では、今日の日本のトレンドはどのようなものか? それは「衰退」である。その理由は、国内の要因と国外の要因とに分けられる。

 国内の要因の1つは、日本社会の劣化だ。具体的に言うと「アノミー(無規範)の蔓延」である。

 社会には、法律では扱うことのできない規範がある。例えば、団塊の世代の多くは「まじめに努力することが大切だ」という規範を持っていた。だから社会に出たら仕事を持ち、まじめに働いた。

 だが、豊かさが行き渡ると、こうした規範は失われる。まじめに働かずとも何とか食べられるからだ。このような社会になると、努力する人はするが、努力する気のない人も激増する。各自が全く違う規範で好き勝手に行動するようになるのだ。

 こうして社会はバラバラになり、人々は孤立感を深め、地域社会は崩壊する。アノミーの進行は社会の活力を確実に奪っていくのである。

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