2008年1月号掲載
BCG流 成長へのイノベーション戦略
Original Title :Payback
- 著者
- 出版社
- 発行日2007年11月21日
- 定価1,980円
- ページ数302ページ
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著者紹介
概要
どうもイノベーションがうまくいかない…。多くの企業が抱えるこの悩みに対し、「アイデアが足りないから成功しない」と考える人は多いのではないか。だが、それは違う。各企業のイノベーションの実態調査によれば、イノベーションプロセスを的確にマネジメントできるか否かで、その成否は決まる。本書では、実例を交えて、そのマネジメント手法を解説する。
要約
イノベーションの最大の課題
昨今、イノベーションを重視する企業が増えている。だが、その取り組みの多くは、投資に見合うリターンを引き出せていない。なぜか?
日本企業の場合、イノベーションが成功しない理由を「アイデアの不足」に求める傾向が強い。
だが、ほぼ全ての企業にとって、イノベーションに関する最大の課題はアイデアの不足ではない。
それは、ボストン コンサルティング グループが『ビジネスウィーク』誌と共同で年1回実施している「イノベーションに関する経営幹部調査」の結果からも明らかである。
63カ国、1070人の経営幹部の回答によれば、48%がイノベーション投資のリターンに満足しておらず、その理由は驚くほど多岐にわたっている。
例えば、「新商品の成果を過大に見積もっていた」「多くのことを同時進行で目指しているため、全てを実行できない」「人材やリソースが適切に配置されていない」「市場に投入するまでに時間がかかりすぎる」…。
調査で明らかになった問題のほぼ全てが、マネジメントや組織能力、意思決定、リーダーシップなどに関連したものである。
イノベーションにとってアイデアは確かに重要だが、それは問題のごく一部にすぎない。アイデアがどんなに優れていようと、それだけで十分な見返り、すなわちペイバック(計画期間内に実現されるキャッシュ)が保証されるわけではない。
ペイバックを実現するには、イノベーションプロセスを、全体的な視点と規律を持ってマネジメントしなければならないのである。
キャッシュカーブの活用
イノベーションプロセスには、次の3つの段階がある。