2014年9月号掲載

イノベーションの最終解

Original Title :Seeing What's Next:Using the theories of innovation to predict industry change

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著者紹介

概要

「破壊的イノベーション論」でビジネス界に不動の地位を確立した、クリステンセン教授の集大成。『イノベーションのジレンマ』『イノベーションへの解』に続く、シリーズ第3弾の本書では、かつて提示した理論を実践する方法を示す。イノベーション理論を用いて、業界の変化を予測する、あるいは競合企業の経営状況を把握するなど、具体的な手法が説かれる。

要約

イノベーションのコア理論

 『イノベーションのジレンマ』では、新規成長事業を立ち上げるのがなぜこれほど難しいのかを説明した。

 次の『イノベーションへの解』では、イノベーションを起こそうとする人のために、成長事業を立ち上げるプロセスで予測通りの結果を導く方法を説明した。

 どちらも「内部者が外を見る視点」、つまり戦略の構築・実行を担当する、全社的な意思決定者の視点から書かれている。

 これに対し本書は、「外部者が内を見る視点」に立って、イノベーションが業界にどんな変化をもたらすのかを分析するために、こうした理論を用いる方法を示す。上級役員や戦略立案者など、業界を評価し、意思決定を行う人に役立つだろう。

 『イノベーションのジレンマ』と『イノベーションへの解』の核にあるのは、イノベーションという雑然としたプロセスを解き明かす、3つの重要な理論(コア理論)である。

 それは「破壊的イノベーションの理論」「資源・プロセス・価値基準の理論」「バリューチェーン進化の理論」である。

 例えば、破壊的イノベーションの理論は、新しい組織が相対的に単純、便利で、低コストのイノベーションを利用して成長を生み出し、強力な既存企業に勝てるような状況を指摘する。

・持続的イノベーション

 持続的イノベーションとは、顧客が重視する既存製品の特性に、改良を加えることを指す。

 処理速度を上げたコンピュータ、持ち時間の延びた携帯電話のバッテリー、画質が劇的に向上したテレビなどはすべて、持続的イノベーションだ。

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