2009年6月号掲載

顧客も社員も「大満足」と言ってくれる5つの原則

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著者紹介

概要

長年、顧客の期待以上のサービスを行い、高い評価を得ている米国の高級衣料専門店がある。ミッチェルズ一家が経営するミッチェルズ、リチャーズ、マーシズの3店だ。『GQ』『エスクァイア』誌などが全米あるいは世界のトップテンに挙げる一家の店は、IBMはじめ超一流企業の重役などを顧客に持つ。本書では、その成功の根底にある経営哲学について、現CEOが語る。

要約

人を中心に据えた経営

 ニューヨークという大都市の圏内で、高級紳士服・婦人服の専門店3店を展開する当社は、1958年の創業以来、お客様を「ハグ」することで成長を遂げてきた。

 ハグといっても、実際に抱き合うわけではない。相手に喜んでもらうために労を惜しまず行動し、「わあ、すごいな。この人たちは本当に私のことを考えてくれている」と感じてもらえる人間関係を築くこと、それが、我々が考えるハグだ。

 そして、わが社では働く人々もハグする。自分が大切にされてこそ、お客様を大切にできるからだ。お客様に極上のサービスを提供するには、共に仕事をする仲間を大切にしなくてはならない。

 わが社で働く人たちは労働者ではなく、仲間(アソシエイト)だ。アソシエイトの満足度が高いほど客の満足度は高い、という事実は多くの研究で実証されている。わが社の成功が、それを何より物語っている。

 ところが他を見ると、やる気のなさそうな態度で仕事をし、お客様を粗末に扱う者が多い ―― 。

ねぎらうことに努力を惜しまない

 どんな企業も、有能で忠誠心のある働き手を求めている。リーダーはそれを希望し、多くは、人こそ最も重要な資産であるとわかっている。

 だが、製品だけを大事にし、売上が低迷すれば価格にしか目が行かない、という企業が存在するのも確かである。

 社員1人1人をもっと大事にすれば、彼らは知恵を絞り、もっと働くのだという発想がないのだ。

 それさえ理解すれば、会社はあれよあれよという間に変わっていくはずだ。

 家庭で過ごすより、職場で過ごす時間が長くなった今日、人は日々の仕事を通じて満足感を味わいたいと望んでいる。金銭的な見返りだけでなく、よくやったとねぎらってもらいたいのだ。

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