2009年6月号掲載
昇進者の心得 新任マネジャーの将来を左右する重要課題
Original Title :Harvard Business Review Anthology How to Succeed in Transition
- 著者
- 出版社
- 発行日2009年4月9日
- 定価1,980円
- ページ数227ページ
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概要
プレーヤーとして優秀なビジネスパーソンが、マネジャーになった途端、つまずくことがある。そんな憂き目に遭わないためには、何に気をつけるべきなのか。本書では、『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』掲載の論考の中から、「昇進者の成功条件と失敗要因」に関する8つの考察を紹介。昇進し、マネジャーとなった者が守るべき“心得”を明らかにする。
要約
新米マネジャーの5つの誤解
昇進は、1つの成功である。だがこれが、「失敗の始まり」になることが少なくない。なぜか?
それは、昇進後、新しい役割を誤解して、誤った「権限の使い方」をするからだ。
新米マネジャーは、次の5つの誤解を抱きがちで、これらが管理職への移行を必要以上に難しくしているケースが多い。
①管理職の権威は絶大である
新米マネジャーは、マネジャーになったことで権威が高まり、その結果、自由と自律性が拡大すると思い込んでいる。
だが実際は、新米マネジャーには、上司や部下のみならず、社外からも相矛盾する要求が容赦なく突きつけられる。その結果、これらの人間関係のせいで身動きできなくなってしまう。
従って、新米マネジャーがリーダーシップを発揮するためには、部下だけでなく、自分のチームが置かれている環境も含めて管理する必要がある。
そのチームを支える外部のキーパーソンを見つけて、効果的な関係を築かない限り、チームが仕事をこなすことはできない。
②管理職の権威はその地位から生まれる
このように周囲に依存しなければならないとはいえ、新米マネジャーにもそれなりの権力はある。
ここで問題なのは、ほとんどの新米マネジャーが、その権力が、管理職という地位に付随する権威から生まれるのだと勘違いしていることだ。
この勘違いの結果、多くの新米マネジャーは独裁的に振る舞うことになる。ところが、上意下達の命令に部下たちがいつも従うとは限らない。
何度か痛い思いをした挙げ句、新米マネジャーが学ぶ現実は、管理職の権力は、部下や上司からの信頼を得なければ保証されない、ということだ。