2009年8月号掲載

菜根譚 心を磨く100の智慧

Original Title :CAIGENTAN ZHIHUI QUANJI(菜根譚智慧全集)

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概要

『菜根譚』は、中国5000年の人生訓を集大成した書である。日本では、江戸時代から今日まで、多くの人に処世修養の書として読み継がれてきた。本書は、この『菜根譚』に収められた人生訓の中から100の言葉を選び、中国史上の逸話等を引きつつ解説を加えたもの。紹介される言葉はどれも含蓄に富み、悩み多き現代人に、より良く生きるための智慧を授けてくれる。

要約

人生をより良く生きる智慧

 「中国5000年の人生訓を集大成した奇書」と評される『菜根譚』。この書に収められた1つ1つの言葉は、よくかみしめて味わえば、人生を良く生きる標となる。

 

 ふとした出来心が心霊の掟を破り、何気ない一言が平和を脅かし、些細な行為が末代まで禍根を残すことになる。

 古代の兵法に、「不注意な一言が、地位と名誉を失い、全軍総崩れの災いをもたらす」という戒めがある。

 我々は、常に他者と競い合いながら生きている。そうした社会では、小さなことが人間関係に大きく影響することがある。例えば、ふと漏らした一言が、相手を傷つけたり、怒らせたりする。

 言動に気をつけないと、良好な人間関係を壊しかねない。

 

 どんなに賞賛を受けても、自分1人の力と思わない。必ず「周囲の人のおかげだ」と感謝の念を抱くことが肝要である。その習慣が怨恨や災厄を遠ざけ、安寧の日々をもたらすことになるのだ。

 自らの成功をひけらかさず、名誉や利益を人に譲るような心がけが大事だ。特に、組織で働く者は必ず誰かの世話になっている。仮に個人が評価されても、その名誉をひとり占めにすべきでない。

 また、非難や批判を受けたとしても、他人のせいにしてはならない。甘んじて批判の矢面に立ち、度量の大きさを示したいものだ。

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