2012年6月号掲載
顧客を生み出すビジネス新戦略 ゲーミフィケーション
著者紹介
概要
Wiiなどのゲーム機、モバゲーなど携帯電話で遊ぶゲームが大人気だ。モノが売れない今日、これほどゲームが売れる裏には、ゲーム業界が独自に築いた「購入し、ファンになってもらう仕組み」がある。そして、それは他のビジネスでも応用可能! という3人の著者が、人を虜にするその仕組み ――「ゲーム戦略」の基本的考え方、実践的なノウハウを示す。
要約
「ゲーム戦略」とは
「人が“全く”集まらない!」
多くの企業が、このような悩みを抱えている。
実は、この悩みを解決するヒントが「ゲーム」の中にある。あなたのビジネスでも活用できる「人を熱狂させる技術とステップ」があるのだ。
それが「ゲーム戦略」である。このゲーム戦略は「ゲーミフィケーション」と「ゲームビジネスメソッド」という2つの要素から成り立っている。
ゲーミフィケーションとは
ゲーミフィケーションとは、徹夜をさせるほどゲームに熱中させる仕組みのこと。
その技術は、大きく3つの効果を生み出す。
- ①人に興味・関心を持たせる「モチベーション」
- ②人の行動を促す「愛着心」
- ③商品・サービスを繰り返し購入する「忠誠心」
最初に利用者の興味・関心が得られないと、利用者はサービスの効果やメリットを実感できない。
また、利用者の心をひきつけても、使うことが習慣化されない限り、すぐに他のサービスに取って代わられる。習慣化してもらうためには、利用者に愛着心を持ってもらわねばならない。
だが、愛着心だけではまだ不十分。愛着心がもたらすのは「必要不可欠」だけで、それ以上のものではないからだ。もし利用者が代わりになるものを見つければ、そちらに切り替えられてしまう。
「信者」といえるほど、あなたのサービスを信じ、敬意や尊敬を持った状態のことを「忠誠心」というが、このレベルに到達しない限り、あなたのビジネスはまだまだ不安定だ。
例えば、ミネラルウォーター。愛着心のレベルでは、普段飲む銘柄が売り切れていた場合、他のミネラルウォーターが身近にあればそちらを飲むだろう。従って、利用者の心を愛着心から忠誠心を抱くレベルにまで導く必要がある。